研究課題/領域番号 |
25460757
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下寺 信次 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (20315005)
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研究分担者 |
赤松 正規 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (10527592)
渡辺 範雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (20464563)
須賀 楓介 高知大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20527593)
藤田 博一 高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, 准教授 (70380326)
市来 真彦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80348515)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 思春期 / メンタルヘルス / 心理教育 / うつ病 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
思春期、とりわけ高校生を対象としたうつ病を中心としたメンタルヘルスに関する調査研究を行った。本年度は精神疾患に関する情報や知識が乏しい場合には相談や治療などの希求行動をとりにくいことを調査し国際誌に投稿しアクセプトされた。調査期間内に教職員にメールと携帯電話による相談窓口を継続的に開放した結果、養護教諭が精神疾患に気付いた場合は家族等に説明をすることが、家族の偏見の問題もあり困難であることが分かった。また、担任が家族からうつ病の診断等で通院中であることの相談を受けた場合も服薬のサポートを具体的に行ったり、他の生徒からの偏見に対応をしたりすることが極めて難しいことが明らかになった。 うつ病の家族心理教育に関しては、ドイツのフライブルク大学の研究チームとドイツでの研究を実施しており、本年度はプロトコール論文を共同で作成し、国際誌に掲載された。 思春期における不調のほとんどは精神疾患であるが、広く認知されていない。また、精神科を専門とする医師においてもうつ病であるのか統合失調症などの異なる精神疾患の初期症状であるのか区別がつきにくい。家族への心理教育は本人の負担が少なく、精神疾患を有する者が思春期の場合には家族への重要な情報提供にもなる。成人の精神疾患においての心理教育は重要であり、少しずつ統合失調症からその対象疾患がうつ病になってきている。思春期の精神疾患を取り扱う場合は、家族への十分な説明が必要であり、服薬が必要な場合はほとんどの対象者の服薬順守を家族にサポートしてもらわねばならない。
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