2007-2008年に福岡県久山町で実施した家庭血圧測定を含む断面調査の結果から、白衣高血圧(WCHT)、仮面高血圧(MHT)、持続高血圧(SHT)が頸動脈病変に与える影響を検討した。その結果、総頸動脈平均内膜中膜厚(平均IMT)の平均値は、NT群に比べWHT群、MHT群、SHT群のいずれでも有意に厚かった。この関係は多変量調整後も変わらなかった。また、最大IMT>1mmと頸動脈狭窄を有するオッズ比もWHT群、MHT群、SHT群で有意に高かった。 以上より、WCHTは無害とは言い切れず、高血圧治療ガイドラインが推奨するように生活習慣の改善と注意深い経過観察が必要であることが示唆された。
|