研究課題/領域番号 |
25460761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
古本 朗嗣 長崎大学, 大学病院, 講師 (50380952)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 呼吸器感染症 / 成人肺炎 / 肺炎球菌 / 肺炎球菌血清型 |
研究概要 |
H25年は、システムの有用性の確認と、収集サンプルの処理に時間を費やした。ベトナムの小児コホートで得られた小児のレントゲンで確認した肺炎の52検体(咽頭拭い液)から、LytA陽性のサンプルをnanofluidic技術を用いて血清型を解析し研究協力者が論文として出版した。この研究によって、この技術の正確性と再現性を確認することができた。(Journal of Medical Microbiology 2014;63:528)これにより、本格的に成人肺炎コホートへの利用が可能である段階に至った。 現在、保存された成人肺炎コホートの喀痰サンプルのDNA抽出と、一般細菌(肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ)および非定型菌(マイコプラズマ、クラミドフィラ、レジオネラ)のスクリーニングPCRを推進している。現在は一年目(合計約1600検体)のサンプルの処理を続行しており、サンプルは二年分を収集している(合計3000検体程度)。 DNA抽出が済んだものから、nanofluidic技術を用いたPCRで血清型を同定しているが、この中で、一人の患者の検体から複数の血清型が分離されるケースが、これまで考えられていたよりも多い事が明らかとなった。このことは今後のワクチン政策を考慮する上で重要である。 また、培養陽性の保存菌株の従来法(菌の膨化反応)による血清型分類も同時に進行しており、この結果とnanofluidic技術を用いた結果との整合性を確認するに至った。 これまでの成果から、研究方針を分離菌の本技術と従来法の二法による血清型決定、喀痰から直接抽出したDNAを用いての本技術での血清型決定を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベトナム小児の解析が順調に進み、また、成人肺炎のサンプル収集と解析作業には時間を要するが、滞りなく遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき、計画通り収集されたサンプルを処理して、データ化していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
おおむね予定通り使用したが、試薬の購入が予定よりも少なかった。 研究をより加速させて、継続することで使用していく予定である。
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