引き続き、全国成人肺炎研究で得られた検体の解析を行った。その内訳は、①喀痰から直接DNA抽出を行い、PCRでLytAを検出してのち血清型用マルチプレックスPCRにかける、②分離菌株を培養して胆汁溶解試験やオプトヒン試験で確認、その後DNAを抽出してLytAのPCRを行いマルチプレックスPCRにかける、③継代に失敗した保存株のビーズを生食に溶解してDNA抽出を行ってPCRを試みた。これによりほとんどのデータを得るに至ったが、一部、通常方法による肺炎球菌のPCR結果と一致しないものがあり、ともに再検を行っている。 得られた結果については、臨床情報(喀痰培養の結果やグラム染色所見、抗生物質の効果など)をあわせて解析を行い、複数血清型の検出もあわせて血清型との関連を解析している。 また、従来法である莢膜膨化反応による血清型同定との一致率を検討して、血清型分布をより正確なデータとして求め、以前の他の報告から得られた10年前の血清型分布と比較して蛋白結合型肺炎球菌ワクチン導入後の血清型置換の有無を検討する予定である。
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