• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

Nanofluidic法を用いた肺炎症例の肺炎球菌血清型サーベイランスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25460761
研究機関長崎大学

研究代表者

古本 朗嗣  長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (50380952)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード肺炎球菌性肺炎 / マルチプレックスPCR
研究実績の概要

nano-fluidic multiplex PCRによる肺炎球菌の血清型の決定法を確立し、ベトナムの小児で鼻咽頭ぬぐい液への定着を検討し、その有用性を確認した。これをもとに、国内における成人の肺炎のコホート研究のサンプルを使用し、成人における肺炎球菌性肺炎の血清型分布を検討した。
喀痰を二年間約2600収集し、これからまず呼吸器病原細菌とウイルスのマルチプレックスPCRを行い、一年目のデータを論文として報告した。ここで抽出したDNAを用いて、あらためてlytA遺伝子の有無をPCRで検出し、さらにnano-fluidic multiplex PCRを用いて肺炎球菌の血清型を決定した。
協力施設の1つでは、尿中抗原により血清型を決定できる方法と分離株の膨化反応と本法による結果を比較して、それぞれの検査特性を明らかにした。また、PCRによる肺炎球菌の検出の有用性を明らかにすることができたため、ワクチンの効果を検証するデータ解析にも用いた。最後に、二年分の肺炎球菌性肺炎の血清型分布を従来法とあわせて集約して、論文として報告する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

検査法の確立と、これを成人の肺炎における疫学調査には十分に生かすことができた。来年度中にデータを論文として報告する予定である。
一方、計画していた薬剤耐性遺伝子を検出するためのPCRの開発には至らなかった。これは、薬剤耐性遺伝子の解析のためフルゲノムシークエンスを用いた他の研究を行っていたが、これが計画より遅れたため、PCRによる検出方法の開発まで行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

今後は、これまで集積したデータを公開することを第一に行う。全国成人肺炎疫学研究で収集した約3200症例の肺炎から採取された検体を用いて、成人肺炎球菌性肺炎の血清型分布を明らかにして発表する。また、本法と従来法、尿中抗原で血清型を決定する方法の有用性について、それぞれ比較した成果をも解析して論文として発表する。薬剤耐性遺伝子の解析の推移をみつつ、マルチプレックスPCRで検出する方法の構築を検討する。

次年度使用額が生じた理由

尿中抗原とnano-fluidic PCRと培養結果との間に、PCRでは複数血清型が検出されるなどの新しい解釈の必要な事態が発生した。これについて、検証作業を行い、また論文として発表するための時間、費用を見込んで一年間延長した。

次年度使用額の使用計画

これまでのデータをもとに、臨床情報を検証し、複数血清型の意義について解析を加え、論文として作成し、発表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The burden and etiology of community-onset pneumonia in the aging Japanese population: a multicenter prospective study.2015

    • 著者名/発表者名
      Morimoto K, Suzuki M, Ishifuji T, Yaegashi M, Asoh N, Hamashige N, Abe M, Aoshima M, Ariyoshi K; Adult Pneumonia Study Group-Japan (APSG-J).
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 10 ページ: e0122247

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0122247. eCollection 2015.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi