研究課題/領域番号 |
25460762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林田 雅希 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (70264223)
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研究分担者 |
田山 淳 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (10468324)
西郷 達雄 長崎大学, 保健・医療推進センター, 技術職員 (50622255)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | うつ病 / 予防介入 / 集団認知行動療法 / パーソナリティ / 大学生 |
研究概要 |
H25年度入学時のTCI-R短縮版(TCI-RJ140)提出者は,1689名であった。そのうち, 「損害回避(HA)」得点が78点以上だったのは265名で,本研究の説明会に参加を予約した者は102名であった。しかし,実際に説明会に参加者した者は29名で,文書での同意が得られた者は28名(男12,女16)となり,目標数を下回った。そこで,週間スケジュール上参加しやすいグループを最低4グループとし,G-CBT介入群と非介入群の比率を2:1とした。乱数表を用いて学生番号下2桁で無作為に両群に割り付けた結果,G-CBT介入群18名(男11,女7),非介入群10名(男3,女7)となったが,男女比にかなり偏りを生じた。 G-CBTは,1グループ4,5名の4グループで 6月3日~7月12日(6週間で8セッション)に実施した。全8セッションを終了できたのは14名であった。2名は約半分程度の参加であった。全く参加できなかった2名中1名はセッション開始前に適応障害にて休学となってしまい,もう1名はセッションの時間帯設定の調整が上手くいかなかった。 G-CBT介入前後の面接調査を終了し,心拍変動測定以外のデータを得たが,心拍変動測定は多用途生体情報解析プログラム導入が遅れ,G-CBTセッションまでに間に合わなかったため,25年度中の測定は断念した。 介入6か月後の面接と測定をG-CBT介入群,非介入群ともにH26年1月-2月に実施し,追跡率は約9割(G-CBT介入群17名,非介入群8名)であった。6か月後採取の唾液試料は凍結保存し,クロモグラニンA測定は年度内に4月早々の測定予定で依頼済みである。介入前後のデータも含めて統計学的解析途中である。G-CBT開始後の経過観察中に,薬物療法等の積極的治療を要すると判断され医療機関に紹介した者はいなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に目標とした本研究への参加同意取得者数は,約6割であった。また,心拍変動測定については,多用途生体情報解析プログラムの納品からG-CBTセッション開始までの日数が短かかったためプログラム導入が間に合わず,25年度中の測定ができなかった。G-CBT介入前後および介入6か月後の面接調査を終了し,追跡率も約9割を維持できており,心拍変動測定以外のデータを得られたが,統計学的解析途中であり学会等での初期の成果発表には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度分の介入半年後までのデータ解析を急ぐ。介入1年後の面接調査も追跡率9割を目指す。 平成25年度は,本研究への参加説明会への予約者数は目標数を大きく上回っていたが,実際の参加者はその3分の1であった。平成26年度は,参加者数を増やすため,説明会の日程を学生がより参加しやすいものとするとともに,謝礼に図書カードを配布することをもっと積極的にアピールすることにより説明会への参加者数をアップして,50名以上(前年度と合わせて80名以上)の同意取得を目指す。 心拍変動測定についてはプログラム導入済みのためG-CBTセッション開始までに実測の準備を整えておく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)物品費で最も高額であった多用途生体情報解析プログラムが当初見積額の9割の価格で購入できたこと,2)研究への参加者数が目標の6割であったためその分,検査用紙,サリベット,謝金としての図書カードの購入数,クロモグラニンA測定費用およびデータ入力の人件費が予定を下回ったこと,3)介入6カ月後のクロモグラニンA測定依頼が年度内に間に合わなかったこと,4)データ解析の遅れから学会発表を行わず旅費を使用しなかったこと,が主な理由である。 次年度は研究への参加者数のアップを図るべく計画を立てている。当該年度の介入6カ月後のクロモグラニンA測定は既に外部に測定依頼済みであり,次年度支払となる。また,クロモグラニンA測定費用の単価が当初予定の倍近いため,多用途生体情報解析プログラム購入における差額はそこに充てる。 遅くとも9月の国内学会(演題申し込み締め切りは5月中旬)で最初の研究成果の発表を行う予定である。
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