うつ病は若年者において障害による損失の主な原因の一つである。また,気質・性格検査における損害回避(HA)は,うつ病のリスクと相関しているパーソナリティ特性である。そこで,HA高得点の大学1年生に対して集団認知行動療法(G-CBT)がうつ病の予防に効果があるのかを検討した。 参加者を無作為にG-CBT介入群と非介入群に分け,ベックうつ病評価尺度,GHQ-28健康調査,MAS不安尺度にて評価した。12カ月後,群間比較では統計学的に有意差は認められなかったが,介入群のみで抑うつ症状の有意な低下が認められたことから,G-CBTによる短期間のうつ病予防効果が示唆された。
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