本邦のコチニール色素アレルギー症例は、近年増加傾向にある。過去に22例の報告があり、今回、新たに6例が加わった。全例成人女性で、85%がアナフィラキシーを発症した。原因食品はイチゴジュース、魚肉ソーセージ、フランス由来のマカロンによる発症が多い。検査法は、色素抽出液のプリックテスト、特異的IgE抗体の測定は有用で、特異的IgE抗体は除去食の継続により低下することが確認され、病勢を知るのにも有用である。今回、コチニール色素抽出液でのプリックテスト陽性の症例において、精製カルミン酸でのプリックテストが陽性を示し、カルミン酸自体が本アレルギーの発症に関与する可能性が示唆された。
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