研究概要 |
平成25年度は、鹿児島県内で2013年までに鹿児島大学附属病院および関連病院にて診断・治療を受けた乳がん患者150例と、乳がんの検診目的で外来を受診した274名の対象群について、喫煙歴と乳がんリスクとの関連について解析を行った。すべての対象者へ担当者が説明を行い、同意を得た後に質問票を用いた生活習慣調査および採血を行った。共通の質問票を用いて、喫煙・飲酒習慣および食事、運動などに関する生活習慣、婚姻や出産に関する項目、授乳歴などについて情報収集を行った。 ロジスティック回帰分析を用いて、統計学的解析を行った結果、喫煙者の乳がんリスクは閉経前後いずれにおいても有意に高かった。年齢、BMI、出産の有無、運動、野菜の摂取などの要因を調整したオッズ比は、閉経前女性では3.8(95%信頼区間:1.7, 8.6)、閉経後女性では3.4(95%信頼区間:1.3, 8.8)であった。また閉経前女性では、喫煙本数とともに乳がんリスクが高くなる傾向を認めたが、閉経後女性では、そのような傾向は確認できなかった。受動喫煙リスクについても検討を行ったところ、閉経後女性では有意に高いオッズ比(3.0, 95%信頼区間:1.6, 5.5)を認めたが、閉経前女性では確認できなかった。 血液試料については、遠心分離にて血漿成分とbuffy coatおよび赤血球成分に分け、-80℃で保存した。buffy coatからDNA抽出を行った。
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