研究課題
基盤研究(C)
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の原因ウイルスであるヒトTリンパ球向性ウイルスI型(HTLV-1)の沖縄県内での分布を明らかにすること、さらにATLの沖縄県特有の臨床病態を明らかにする目的で、沖縄県内で血液内科診療をしている7病院で、2002年から2011年の10年間に発症しているアグレッシブATL(aggressive ATL)症例の後方視的解析を行った。10年間に発症したaggressive ATLは659例であった。発症年齢中央値は68歳と全国調査の結果と同様であったが、70~80歳台に発症のピークがあり、発症の最高齢は102歳であった。aggressive ATL発症患者の生育地域を調べたところ、那覇市18%、うるま市15%と両市のATL発症の割合は、県内の1/3を占めていることが判明した。そして南部医療圏、中部医療圏(約110万人)でATLの発症の割合は4分の3を占めていた。一方名護市を中心とする北部医療圏(約10万人)では、ATL患者発症割合が県内の10%未満で、八重山医療圏(石垣島など:約5万人)、宮古医療圏(宮古島など:約5万人)のaggressive ATL発症の割合はそれぞれ1~2%であった。HTLV-1の地域分布は、ATL発症の分布とほぼ一致していることから、沖縄県内のHTLV-1キャリアの分布は南部医療圏および中部医療圏に集中している実態が明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
本年度の研究において沖縄県内のATLおよびHTLV-1キャリアの地域分布、および好発地域を明らかにした。
南部医療圏、中部医療圏の保健所、および地域中核病院と連携を図り、HTLV-1キャリアのフォローアップ体制構築基盤整備を図る。そしてキャリア検体の収集を開始する。
外注検査費用の発生が様相よりも少なかったため。次年度に外注検査費として使用する予定である。
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