研究課題/領域番号 |
25460773
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
上松 右二 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (90223502)
|
研究分担者 |
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
武用 百子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (00290487)
服部 園美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (00438285)
志波 充 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (50178894)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 地域健診 / 認知機能スクリーニング / 軽度認知機能障害 / 地域連携 / 早期発見 |
研究実績の概要 |
和歌山県内で、 老年人口割合が34.1%と高齢化の進んだ山間部のかつらぎ町で、 2014年の特定健康診断に参加した65歳以上75歳未満の前期高齢者133名(女性68/男性65名)および同町後期高齢者健康診断に参加した75歳以上94歳までの180名(女性99/男性81名)の総計313名(女性167/男性146名)、平均年齢は75.0歳、また、老年人口割合が28.1%の海浜部のみなべ町で、同様に健康診断に参加した前期高齢者174名(女性84/男性90名)および同町後期高齢者健康診断に参加した93名(女性51/男性42名)の総計267名(女性135/男性132名)、平均年齢は72.7歳を対象とし、スクリーニング認知機能検査バッテリ:①modified OLD②MSE(Mini-Mental State Examination)③言語流暢性検査:動物/スポーツの名前、あ/かより始まる名詞を1分間で想起。④注意機能検査:D-CAT(Digital Cancellation Test)第1,3試行を使用。⑤記憶検査(散文):25語句から成る文章を2回聞いてもらい文章想起。を実施した。また、動脈硬化検査:心電図、PWV、ABI、AI、頚部エコー、血液検査と質問紙による生活習慣、病歴等を聴・書取施行した。 MMSEの結果では、全体では27.7±2.4(以下、結果をmean±SDで表す)、男女間、地域間で有意差を認めなかった。一方、年齢との間に負の相関を認めた(P<0.0001)。認知症疑いとされる23点以下は25人(女性10名、男性15名)で全体の約4.3%であった。MMSEを、低値群(23点以下)、中間群(24~27点)、高値群(28点以上)の3群に分けると、それぞれ25人(4.3%)、 193人(33.5%)、 359人(62.2%)で、 中間群の中で物忘れの自覚を32人(16.6%)に認め、 軽度認知機能障害と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
和歌山県内の高齢化の進んだ山間部地域とそれ程進んでいない海近部の地域において、 研究計画とおり、 スク リーニング認知機能検査バッテリ、 動脈硬化検査、 血液検査、質問紙による生活習慣、病歴等を聴・書取を実施したが、地域差を十分比較し得ていない。MMSEと他のスクリーニング認知機能検査としてのmodified OLD、注意機能検査、言語流暢性検査、散文記憶検査を比較検討の状況である。 また、 生活習慣や生活習慣病との関連性についても検討中である。 MMSE23点以下の対象者については、 地域の保健福祉課等と連携し、地域基幹病院等への2次健診へのすすめを行ってきている。
|
今後の研究の推進方策 |
同地域で研究計画を続け実施し、より対象者数を増やし 地域差を検討する予定である。 地域住民健診でのスクリーニング認知機能検査バッテリの中で、 簡便な認知機能検査を選定すること。 軽度認知機能障害、 認知症の早期発見に努め、 地域行政および病院との連携をはかること。
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の繰り越し金があったためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
健診実施場所への旅費、動脈硬化検査のための検査用紙等の消耗品、血液・尿検査の費用、研究協力者への謝金へ使用する計画である。
|