研究課題/領域番号 |
25460775
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
藤原 寛行 自治医科大学, 医学部, 教授 (50316535)
|
研究分担者 |
鈴木 光明 自治医科大学, 医学部, 教授 (50110870) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 子宮頸がん / HPV検査 / がん検診 / 細胞診・HPV検査併用 |
研究実績の概要 |
小山地区の併用検診は順調に5年目に入り継続して行うことが出来ている。また検診結果の集積も予定通り行われている。総受診者数は2012年度から2014年度までの3年間の21,615人に加え、2015年度は9656人の受診があった。本年度も、初回受診者の解析に加え、細胞診、HPV検査両方の結果が陰性(double-negative)の3年後再診者の追跡調査を行った。初年度double-negative10,554人中、追跡調査できたのは3年後受診者6,201人(57.6%)まで増え、この群から要精検者は62人(1.0%)であり、現時点でCIN1が28人、CIN2 2例、CIN3 1例、腺異形成1人であった。本結果より、細胞診、HPV検査両方の結果が陰性(double-negative)は少なくとも3年間隔の受診で問題ないという結論を多数例の検討から得ることが出来、今後の検診間隔を決定する上で重要な結果となった。 精密検査結果も順調に収集できている。併用検診に特有のカテゴリーである、ASC-US・HPV陽性者はほぼLSIL(軽度異形成)群と同等のCIN構成・発見率であること、また20歳代のデータから併用検診開始年齢は25歳からが妥当であること、など独自のデータも発信できている。また現在では、併用検診の上限を設定することも検討している。今後も継続してデータ解析を行っていく予定である。また基礎実験として、例えばE6E7を抑制する動物実験などは順調に行なわれているが、screeningに寄与するデータはまだ得られていない。子宮頸がん患者におけるmicroRNA測定は、数検体に網羅的解析を行ったが、こちらもまだ screeningに寄与するようなmicroRNAの同定には至っていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検診結果の集積、受診率向上に関する検討は問題なく行われている。昨年度同様、基礎研究がやや遅れている。子宮頸がんにおけるmicroRNA測定は検体採取を行い、数検体に網羅的解析を行った。しかしそこからは未だ新知見が得られていない。E6,E7を抑制する基礎実験は順調に行っているが、こちらもscreeningに寄与するデータは得られていない。
|
今後の研究の推進方策 |
併用検診に関しては、行政との連携も継続して行うことが出来ており、問題無く行われている。精密検査受診者の結果もわずかに遅滞はあるものの、把握が可能となってきている。今後はさらに漏れの無い集計ができるようにシステムを構築する予定である。 基礎研究に関しては遅れがある. E6E7を抑制する動物実験は順調に行なわれており、この結果から新知見を得たいと考えている。また自治医大受診症例のHPV型判定を行い、データと照会できればscreeningに寄与する知見が得られる見込みである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度も基礎研究の進展がやや遅れており、それに伴う経費が少額であったため、次年度使用額が生じた。また本課題を国外で発表する予定であったが、論文化が遅れており、旅費がかかっていないことも原因となっている。
|
次年度使用額の使用計画 |
最終年度であるため、併用検診結果の論文化を進めるにあたり、必要経費を計上していく。また国内外での学会発表等も計画している。また探索的に行っている基礎研究をさらに進め、候補物質の同定作業を行う経費を計上していく。
|