研究課題/領域番号 |
25460775
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
藤原 寛行 自治医科大学, 医学部, 教授 (50316535)
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研究分担者 |
鈴木 光明 自治医科大学, 医学部, 教授 (50110870) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / HPV検査 / がん検診 / 細胞診・HPV併用検診 |
研究実績の概要 |
小山地区の併用検診は行政と連携し、継続して順調に行うことが出来ている。また検診結果の集積も予定通り行われている。本年度も初回受診者の解析に加え、細胞診、HPV検査療法の結果が陰性(double-negative)の3年後受診者群、細胞診陰性+HPV陽性群及び細胞診ASC-US+HPV陰性群の1年後受診者群の結果を解析している。3年後群は一般集団よりCIN以上の発生が低率であり、また1年群もHPV結果で差異はあるものの、1年後結果は許容されるものであった。よってこれら受診間隔が妥当であることを今年度も示すことが出来た。 また本年度は過去細胞診単独で施行していた年度の結果も行政の協力のもと収集できたため、細胞診単独と併用検診の比較を複数年で行った。3年間単位(細胞診単独2009-2011年、併用検診2012-2015年)で比較すると要精検率は約2.5倍に上昇したものの、CIN2以上の検出においても有意に上昇したことを示すことができた。細胞診単独の検診と比べ、併用検診はより精度良くCIN2以上を検出出来ていた。これらの結果の一部は2017年10月に開催された国際学会AOGIN2017の招請講演で発表した。同時に併用検診開始年齢を25歳とする根拠も提示して発表した。ASC-USのトリアージに関しては論文を作成し現在投稿中である。 基礎実験としてmicroRNA測定、E6E7抑制実験とそのpasswayの解析などを行っている。現在screeningに応用できる候補因子は同定できていない。データ収集の進捗に比べ、基礎研究においては候補因子が同定できておらず、HPVタイピングなどを検診へ導入する方法などを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検診結果の集積、受診率向上に関する検討は問題なく行われている。しかし受診間隔延長群の受診率が予想より低率であったため、これらの結果集積が遅れている。より多人数での検討を行うため研究機関を1年延長した。 子宮頸がん患者におけるmciroRNA測定からは新知見は得られていない。E6, E7を抑制する基礎実験は順調に進められているが、こちらからもスクリーニングに寄与する因子の同定には進めていない。 ASC-USのトリアージに関しては結果を論文化して現在投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
併用検診のデータ収集・管理に関しては行政との連携も継続して行うことが出来ており、問題無く行われている。適正受診間隔の検討のため、受診間隔3年群と1年群の受診結果を数多く得るため、1年間観察期間を延長して検討することとした。またデータが膨大となっているためより正確に収集、解析するシステムを検討中である。 基礎研究に関しては依然として遅れている。E6E7系の実験は進んでおり、ここから候補因子をしぼれればと考えている。またHPVタイピングなどを検診へ導入する方法などを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
基礎研究において候補因子が同定できず、これに関連した研究の進捗が遅れて支出が少なくなっているため。また本研究を国外で発表する予定であったが、論文化も遅れているためここれにかかる旅費などがかかっていないことも原因となっている。
使用計画として、既にASC-USトリアージに関しては論文投稿も終わったが、第二報も論文化をすすめており、これにかかる費用を計上する。またデータ管理のシステムにも計上してより正確なデータ管理が出来るようにすることを考えている。
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