医療現場では心筋梗塞発症から再灌流療法まで遅延する症例があるが、その症例に対する患者背景については不明である。本研究は心筋梗塞発症12時間以降に治療した患者を対象とし治療を受けるまでの時間が遅延する因子とそのリスクを解析することである。2009年7月1日から2013年3月31日までにPCIによる治療を施行したST上昇型心筋梗塞患者625例の解析を行った。発症12hr以上と発症12時間以内の患者背景を比較したところ、発症12hr以上における年齢、性別、心疾患リスクファクターにおいて両群とも同程度であることが分かった。発症12hr以上における心原性ショック合併症率は4.3%と高い傾向が認められた。
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