研究課題/領域番号 |
25460778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
杉山 大典 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90457052)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コホート研究 / 生活習慣病 / 自己抗体 |
研究概要 |
本研究の対象者は、研究代表者が参画している先端医療振興財団が行っている高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療歴及び心血管疾患の既往がない神戸市一般住民を対象とした『神戸トライアル』の都市部住民コホート研究参加者1134人である。平成22、23年度に市広報など公募情報提供および地域自治会の協力により研究参加者を募った。平成26年4月現在、コホート研究のベースライン調査は終了し、追跡調査が継続中である。 平成25年度は、上記の対象者に対して自己抗体と生活習慣・関連臨床検査値との関連について横断的に検討を行った。具体的な成果としては、抗核抗体の陽性群と陰性群の間で、シスタチンCなどの腎機能に有意な差を認め、現在この結果を基にした論文を作成・投稿準備中である。一方、リウマトイド因子および抗核抗体とCAVIとの関連を検討した結果、ベースラインデータでは特に有意な関連は見られなかった。 また、神戸トライアルのデータセットを用いた関連研究として、LOX-1 系変性 LDL指標と潜在性動脈硬化指標であるCAVIとの関係を評価した論文を合わせて作成・投稿準備中である。 加えて、平成25年度も引き続き本研究の対象集団のフォローアップ調査を行っており、研究代表者も現地調査において研究内容の説明や問診確認等の役割で参加し、概ね90%程度と高い追跡率を維持できている。平成26年度も引き続き、現地調査に参加する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『神戸トライアル』ベースライン調査時に測定した自己抗体(抗核抗体・リウマトイド因子)と各種臨床検査値およびCAVIとの比較検討は概ね順調に進行しており、論文化の作業も進んでいる。また、フォローアップ調査における追跡率も90%程度と高く、コホート研究の追跡率としては十分であると考える。 一方、当初平成25年度に予定していた抗CCP抗体の測定については、保存血清の残量および標準化の問題から、他の項目との併せて測定することが望ましいと判断し、平成25年度の測定は見送った。 以上より、本研究の進行度は「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度追跡調査より、内臓脂肪の測定や、アレルギーのスクリーニング目的での呼気中一酸化窒素測定を行う予定であり、当初予定していた生活習慣・各種臨床検査値・CAVI等に加えて、自己抗体との比較検討を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度には抗CCP抗体を測定する予定であったが、保存血清の残量の問題及び抗体CCP抗体測定キットの標準化の問題で、別の項目と一度に測定する必要があったため、平成25年度の測定を見送った。 上述のように、抗CCP抗体および当初平成26年度に測定を予定したリウマトイド因子について、併せて測定を行う予定である。
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