研究課題
去年整理した(公財)ルイ・パストゥール医学研究センターのデータベースに更に26年度に測定した対象者の1年間のデータを加えより長期にわたるデータを追加した。5年以上の実績のある健常人約300名、がん治療後5年以上生存者データは現在約50名であるが、現在特に病歴のない健常人群であると判断しているグループに疾患履歴がないか、再度膨大なカルテに当たる作業中である。2013年の論文でインターフェロン産生能は加齢とともに全体としては低下傾向であるものの、一旦低下後上昇することも多いことを明らかにした。この上昇に、加齢炎症がどのように影響しているか明らかにする必要があると判断し、現在、この間の研究で健常人の誘導をかけていない血液中の炎症性サイトカインも併せて測定していて、インターフェロン産生能への炎症生サイトカインの影響についてのデータが蓄積されつつある。このようにインターフェロン産生能に影響を及ぼす因子の解明についての研究へと、研究が展開している。近い将来インターフェロン産生能の低下と病気の発症に及ぼす炎症との関連についての基礎情報がより明らかになるものと期待される。また、これらの研究成果の活用の一環として、宇野は福島の仮設住宅で暮らす住民の健康管理に我々の研究成果を生かしたいと考えていた。この点については、福島の南相馬市で活動している研究者グループとの連携が可能となり、住民の健康管理にインターフェロン産生能検査を組み込む体制の目処がついた。
2: おおむね順調に進展している
去年整理した(公財)ルイ・パストゥール医学研究センターのデータベースに更に26年度に測定した対象者の1年間のデータを加えより長期にわたるデータを追加したが、現在特に病歴のない健常人群であると判断しているグループに疾患履歴がないか、再度膨大なカルテに当たる作業中である。またインターフェロン産生能に、炎症がどのように影響しているか明らかにするために、現在、この間の研究で健常人の誘導をかけていない血液中の炎症性サイトカインも併せて測定していて、インターフェロン産生能への炎症生サイトカインとの関連についてのデータが蓄積されつつある。研究の本来の部分はやや手間取ってはいるが、インターフェロン産生能に影響を及ぼす因子の解明についての研究はむしろ進展している。近い将来インターフェロンの低下と病気の発症に及ぼす炎症についての基礎情報がより明らかになるものと期待される。
インターフェロン産生能を下げる要因、上昇させる要因について、血中の炎症性サイトカインの影響について、基礎的検討も必要であると判断し、会わせて検討している。またこの研究と並行して、がん患者やリウマチ、糖尿病等の疾患患者のインターフェロン産生能と血中の炎症性サイトカインとの関連の研究が進んでいる。これらの結果は、単にインターフェロン産生能が高い低いだけでなく、その背景にある多様な炎症との関連についての情報をもたらすものと期待される。また、福島での免疫機能測定の体制に目処がたったことは、免疫機能検査の健康管理への活用という点で、社会的意義も大きいと期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Am J Physiol Renal Physiol.
巻: 15 ページ: 1342-1351
10.1152/ajprenal.00381.2013. Epub 2014 Oct 1.
日本原子力学会誌
巻: 56 ページ: 15-18
巻: 57 ページ: 15-18
http://www.louis-pasteur.or.jp/kenkyukatudou/labo_ifn.html