研究課題/領域番号 |
25460785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
松田 尚久 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (30508049)
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研究分担者 |
角川 康夫 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (00537889)
大野 康寛 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (50602025)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 便潜血 / 大腸癌 / 免疫法 / 定量化 |
研究概要 |
研究初年度(H25年度)は「研究プロトコールの作成と倫理審査および研究に必要な機器の設置」を目標とした。研究申請書に明記した通り、国立がん研究センター中央病院・東病院における大腸癌外科手術および内視鏡切除例を対象とし、治療前にOCセンサー(栄研化学)を用いた便潜血検査(免疫2日法)を定量法で行う内容の研究実施計画書を作成し、国立がん研究センター倫理審査委員会に審査を依頼した。個人情報の取扱いと検体の管理に十分配慮することが求められ、研究実施計画書及び患者同意説明文書の改訂を行った。 また、便潜血検査免疫法の実施に向けて、国立がん研究センター中央病院内視鏡センター内にOCセンサーの機器設置を行い、機器の動作確認と30例のpilot studyが完了した。栄研化学の協力の下、OCセンサーによる便潜血測定法に関するマニュアルを作成することにより、安定した測定が可能となった。併せて、本研究は国立がん研究センター中央病院・東病院の2施設での実施となることから、東病院からの便潜血測定キット移送法の確立が必要となった(国立がん研究センター中央・東病院間で平日常時行っている書類・検体の移送システムを用いることで、安全確実に検体回収が可能であることが確認出来た)。 本年度予算にて、便潜血検査試薬および検査用キットの購入が完了しエントリーの準備は整った。次年度より倫理審査が完了した時点でエントリーを開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究申請書では、研究開始後8ヶ月間でのプロトコール完成と倫理審査完了、便潜血機器の設置を目標としていた。概ね目標は達成しているが、当初の予定よりも倫理審査に時間を要しており、症例のエントリー開始時期が若干遅れている状況である。但し、研究を進める上でのその他の準備はほぼ完了しており、本研究は概ね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主たる目的は、臨床の立場から便潜血検査免疫法による早期・進行大腸癌の部位別・進行度別(ステージおよび壁深達度別)・腫瘍径別・肉眼型別診断感度を多数例にて検討し、現行の大腸癌検診の限界と改善点を明確にすることである。 本研究内容は、平成19年に「がん対策基本法」に基づいて策定された「がん対策推進基本計画」の個別目標の一つとして掲げられた「がん早期発見」のための検診精度の評価と今後日本での大腸癌検診スタイルの改変時にその重要な基礎データとして寄与するものとなると考えており、研究計画に沿って研究を遂行し確実に成果を上げたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究初年度は、実施計画に沿って概ね予定通りに遂行出来たが、登録開始時期が若干遅れたことにより、それに係る検査試薬及び検査用キットの購入が当初の予定よりも少額となった。そのため、約30万円の次年度への繰越しが必要となった。 研究2年目(次年度H26年度)から本格的に症例のエントリーが開始となるため、繰越金を検査試薬及び検査用キット等に有効利用させて頂く。併せて、エントリー開始後のクオリティーコントロールを目的とした研究グループでの会議を計画しており、その際の費用にも充当させて頂く予定である。
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