研究課題/領域番号 |
25460788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 成子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30448831)
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研究分担者 |
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (70632389)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 母子保健 / 環境化学物質 / 胎児期曝露 / DNA損傷 / 遺伝環境交互作用 |
研究概要 |
近年,子どもの肥満,アレルギーや行動障害などが増加していることが報告されており,胎児期の環境化学物質曝露がその一因として示唆されている。本研究では,既に立ち上げている前向きコーホート研究「環境と子どもの健康に関する北海道スタディ」の児を対象として,胎児期の環境化学物質曝露によるDNA 損傷と母児の遺伝的感受性素因による交互作用が胎児発育や生後の身体発育および免疫機能に及ぼす影響を解明することを目的とした。 DNA損傷度指標として,妊娠中の母親から採取,保存している母体血(血清)で酸化ストレスマーカーである8-OHdG濃度を高感度ELISA法(検出限界値0.125ng/mL)で測定した。遺伝子多型の違いによるDNA損傷度の個体差について評価するために,母体血から抽出したDNAでDNA修復遺伝子である XRCC1遺伝子とERCC1遺伝子の多型を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,酸化ストレスマーカーである母体血清中8-OHdG濃度測定が377検体終了した。DNA遺伝子多型解析は母体血496検体で4多型の解析が終了し,平成26年度は臍帯血についても解析を行う。 アウトカムとなる身体発育状況や感染症,アレルギー疾患発症についての質問紙調査は7歳時調査票までクリーニングが終了した。
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今後の研究の推進方策 |
母体血清中8-OHdG濃度測定と母児DNAの遺伝子多型解析を継続する。 母体血残り99検体の血清中8-OHdG濃度を測定する。 母体血DNA検体でDNA修復遺伝子OGG1遺伝子と抗酸化作用遺伝子PON1遺伝子の多型および臍帯血DNA296検体の遺伝子多型を解析する。 胎児期の環境化学物質曝露(ダイオキシン・PCBs類,PFOS/PFOA,MEHP,BPA濃度が測定済)によるアウトカム評価を行う。診療録から得た出生時体重・身長と生後6ヵ月,1歳6ヵ月,3歳6ヵ月,7歳時の追跡調査票から得た身体発育状況(体重・身長,体格指数)を,また,1歳6ヵ月,3歳6ヵ月,7歳時のISAAC調査票から得た感染症,アレルギー疾患の発症・維持,寛解を解析して総合的に評価する。さらに,DNA損傷(遺伝要因)によるアウトカム評価を行い,遺伝環境交互作用の解明を行う。 研究成果について,学会ならびに学術専門雑誌に発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度では,81,900円の未使用額が発生した。 これは平成25年度末に購入した物品の支払が平成26年4月に支払われることになったため生じたものである。 平成26年5月現在では未使用額はない。
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