研究課題/領域番号 |
25460792
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 靖司 東京大学, 環境安全本部, 教授 (00301094)
|
研究分担者 |
黒田 玲子 東京大学, 環境安全本部, 助教 (50553111)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 社会医学 / 産業医学 / 過重労働 / 睡眠 / 慢性疲労 |
研究概要 |
研究協力事業場である電子部品製造業との契約を更新した。対象事業場は全国に8拠点を持ち、従業員数は約10,000名である。調査に用いる標準調査票としてBurn-out score、余暇時間及び休日活動状況調査、睡眠状況調査を含めた質問票を作成した。協力事業場において長時間勤務者面接時に標準調査票を実施を開始した。 また、過去の長時間勤務従事者面接結果を抽出し、連結可能匿名化を行い、データベースを作成した。すでに研究への協力の承諾を得ている事業場におけるデータベースにある月間労働時間、3ヶ月平均労働時間、睡眠時間、Burn-out score、平均出勤時間、平均退勤時間、該当月休日出勤回数、産業医判定結果、生活習慣、年齢、性別を連結可能匿名化して本研究のデータベースに格納した。匿名化は協力事業場において 協力事業場に所属する研究協力者である産業医または保健師が行った。後ろ向き研究における基礎解析を行った。得られたデータベースを用いて、長時間勤務の継続期間と睡眠関連症状、Burn-out score及び概日リズムタイプ等との関連を生存分析等によって検討し、長時間勤務の継続期間が3ヶ月を超えるとBurn-out score、抑うつ傾向、睡眠障害等の有訴率が上昇することを確認した。 加えて、work life balanceの先進国である欧州を対象に労働時間と生活の関連について意見交換を行い、また、労働時間管理方法についての調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を開始している事業場以外の事業場との契約は、標準契約様式の作成を進めていることから、契約の締結は予定よりやや遅れているが、協力事業場の選定は進められており、平成26年度には調査等を行うことが開始できる見込みである。また、研究を開始している事業場においては、過去10年間の長時間勤務者面接記録をデータベース化できたことより、長時間面接の解析を行える体制が整った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度に計画を開始した事業場以外の協力事業場との契約の締結を継続する。協力事業場において長時間勤務者面接時に標準調査票を実施する。協力事業場において長時間勤務者面接対象者に、同意を得て事業場の問診票に加えて標準調査票を実施する。 協力事業場におけるパイロット調査を行いMEQ調査の妥当性を評価し、他の事業場にもおいても実施する。標準調査票による調査は平成27年12月まで継続する。平成26年度は、中間解析としてベイズ推計による検討を行い、標準調査票の項目を入れた場合についての慢性疲労等の診断の事前確率と事後確率を求めて標準調査票の寄与を検討する。 平成27年度も協力事業場において長時間勤務者面接時の標準調査票の実施を継続する。協力事業場において長時間勤務者 面接対象者に、同意を得て事業場の問診票に加えて標準調査票を実施し、長時間勤務者面接結果のデータベースへの格納を行う。解析として生存分析により長時間勤務の継続期間と「労働者の疲労蓄積度診断チェックリスト」調査項目 、睡眠調査結果、Burn-out scoreとの関連を検討する。また、研究協力者を対象に、得られたデータベースを基に各面接時点での判断を標準調査票の項目を入れた場合についての事前確率と事後確率を求めベイズ推計を用いて、標準調査票の寄与を検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今回募集している研究への協力事業場からのデータ抽出及び連結可能匿名化作業はへ平成26年度に実施するため 協力事業場からのデータ抽出及び連結可能匿名化作業にに伴う経費は平成26年度に実施するため、平成26年度に執行する。
|