研究課題/領域番号 |
25460794
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
金井 誠 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60214425)
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研究分担者 |
坂口 けさみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (20215619)
塩沢 丹里 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20235493)
大平 哲史 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (90397315)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境保健 / 続発性不妊 / 分娩後の月経発来 / 望まない妊娠 |
研究実績の概要 |
エコチル調査へ参加協力の同意を得た2601人の分娩者の内、我々の独自研究への参加について859人から文書による同意が得られた。分娩1年後アンケートは847人に郵送(12名は全体調査協力中止)し、743人から返答を得た(回収率:87.3%)。平成28年11月に分娩2年後のアンケートの郵送が完了した。分娩2年後アンケートは841人に郵送(6人は全体調査協力中止)し、700人から返答を得た(回収率:83.2%)。現在、分娩3年後アンケートを412人に発送し 317人から返答を得ている(回収率:76.9%)。それぞれのデータ入力作業と回答結果のまとめに取り組んでいるが、分娩後の月経発来時期に関しては、従来から一般的に言われている期間よりも幅がある可能性があり、夫婦生活における避妊に関する回答も、今後の避妊指導の重要性を認識させられる結果が得られている。また、本研究の目的の一つである望まない妊娠の予防対策としては、本研究の成果を待つまでもなく、中学生の段階からの性教育の重要性は明白であるため、養護教員と協力して『性感染症と望まない妊娠』というタイトルでの性教育講演会を中学3年生と教員を対象に5校の中学校で実施した結果、受講した生徒および教員から、「非常にわかりやすい、有意義な講演会であった」との高い評価を得た。 加えて、不妊外来受診者が、外来受診時にどの程度の精神的ストレスを感じているかを調査するため、唾液中アミラーゼの測定によるストレス強度の測定を実施したが、どのような属性でストレスが大きいかの同定には至らなかった。 分娩後3年以降も、エコチル調査と本研究への継続的な協力を呼びかけるための企画として、FM長野からの取材を通じて、本研究に参加していただくことの重要性を伝えて放送していただいている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的と内容を説明した結果、847人の妊婦から文書による研究参加の同意が得られており、分娩1年後アンケートは743人から返答を得た(回収率:87.3%)。分娩2年後アンケートは700人から返答を得た(回収率:83.2%)。分娩3年後のアンケート回収率が70%としても600人程度のデータ解析が可能となる予定であり、本研究の目的が達成される見通しがついている。また、分娩1年後アンケートと分娩2年後アンケートから、分娩後の月経発来時期に関する基礎データが取れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力の同意を得た研究対象者の分娩日から、本年度に郵送する分娩3年後、4年後の独自アンケート調査票の郵送日を決定してアンケートの送付を行うと同時に、返送された回答データの入力作業を行う。エコチルコアセンターから、個人を特定できる情報を除いた調査結果の提供を受けてデータ連結を行い、カテゴリー化を必要とする項目は、実数値データのカテゴリー化を行い、様々な多変量解析が可能なデータベース化を行ったうえで、統計処理ソフトを使用して多変量解析を行い、環境物質への曝露の回避や、生活環境の改善に対する具体的な対策を多変量解析で明らかになった結果から立案する。 エコチル調査への協力妊婦は、自身やこどもの環境が自身やこどもの様々な疾患と関連している可能性について説明を受けている。エコチル研究協力医療機関で次子を妊娠していることが判明した妊婦に対して、前回のエコチル調査時と同様のアンケート調査を施行し、喫煙(本人および同居者)、飲酒、食生活、薬剤内服、生活習慣、運動、睡眠、精神的ストレス、育児意識などのアンケート調査結果が、前回の妊娠時と比較してどのような変化があったかを比較検討する。また、エコチル調査を行っていない地域の妊婦にも同様のアンケート調査を行って比較検討することで、妊婦とこどもの環境に関する意識を高めるための説明を行うという介入効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだ額よりも安価で研究が遂行できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用金額はH29年度請求額に組み入れ、消耗品で使用する予定。
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