研究課題
基盤研究(C)
3系統のラットのうち、脳梗塞易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)は対照群である飼料(SP)で、脳梗塞発症の頻度が8週間摂取では高く、対照群の数に支障をきたすことになった。そのため、トラブル対策として、SHRSPの系統元で、WKYが系統元となる高血圧自然発症ラット(SHR)を用いた実験を追加で行った。高脂肪・高コレステロール飼料(HFC)を8週間摂取させたSHRSP5/Dmcr、SHRSP、SHR、WKYはともに肝臓重量の著明な増加を認め、肝体重比はSHRSP5/Dmcr>SHRSP>SHR>WKYであった。4系統の病理(EVG染色)所見で、WKYでは線維化が認められなかったが、SHR、SHRSP、SHRSP5/Dmcrで肝線維化が認められた。しかし、上述のようにSHRSPはSP摂取群において、脳梗塞発症個体が多いため、対照群の安定性に問題があり、今後の解析からは除くこととした。そこでSHRSP5/Dmcr、SHR、WKYの肝臓サンプルを用いて、コレステロール及び異化産物である胆汁酸代謝に関連のある蛋白の測定をWestern Blot法で測定した。その結果、血圧が正常なWKYでは、コレステロールから胆汁酸異化の律側酵素であるCyp7a1の発現が、対照群・HFC群ともに非常に少ないことが判明し、線維化が認められなかったWKYと線維化が認められたSHR以降の違いの可能性として高血圧の関与が考えられた。
3: やや遅れている
当初使用予定であったSHRSPにおいて、コントロール飼料であるSP摂取により予想以上に脳梗塞が発症したため、追加実験が必要になり、それを補うためにもう1系統のSHRを追加したため。
今年度は、追加実験が必要であったため、一部の蛋白のみWestern Blot法で測定した。今後は、未測定の蛋白測定のみならず、肝臓内脂質測定、mRNAも測定していく予定である。さらに、肝臓内及び血清の胆汁酸測定を研究協力者の名古屋大学・院・医・法医学講座において、測定する予定である。また、今年度の新規発見としてのCyp7a1発現と高血圧との関連についての解析として、降圧薬を用いた追加実験を行うかどうかも検討していく。
蛋白解析に必要な抗体の納期が間に合わなかったため。予定通り、蛋白・遺伝子解析を行うための試薬代やLC/MSによる胆汁酸測定の標準品の購入などを行う。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
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