研究課題/領域番号 |
25460799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
志摩 梓 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20635958)
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研究分担者 |
石崎 達郎 東京都健康長寿医療センター, 研究所, 研究部長 (30246045)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
呉代 華容 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30708681)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療費 / 高血圧 / 耐糖能異常 / 脂質異常症 / 外来受診頻度 / 循環器疾患リスク |
研究概要 |
本研究は、職域集団において健診データとレセプトデータを突合し、①循環器疾患リスクの保有や重積と医療費の関連を前向きに検討すること、②適切な外来通院や調剤内容がその後の生活習慣病コントロールや入院医療費の抑制に寄与するかを検討すること、の2点を目的としている。 初年度である平成25年度は、ベースラインから9年分の健診データと医療費データの突合データベース約8500人分を整えた上で、上記①を進めた。具体的には、中性脂肪と高血圧発症、中性脂肪と糖尿病発症、血圧水準と医療費、循環器疾患リスク数と医療費、外来受診頻度と医療費、健康的な生活習慣と高血圧発症の関連等について検討を行い、関連学会で順次公表した(一部準備中)。 このうち中心的課題であった外来受診頻度と医療費の関連については、ベースライン健診で高血圧(収縮時血圧140mmHg以上または拡張期血圧90 mmHg以上または降圧剤治療中)を認めて8年後の健診を受診した者において、ほとんど外来を受診しなかった群と比べ、月1回程度の頻度で外来を受診していた群では8年後に目標血圧を達成した者が約2倍であること、月2回程度の受診群では約3倍であること、即ち、外来受診頻度が多い群において血圧コントロールが良好であることが示された。 そこで、来年度以降は外来受診の内容分析を加えるためにデータベースの拡充を行い、適切な外来受診や調剤内容とその後の疾病コントロール状況の関連研究(前述の②)に進む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定したデータベース作成は年度前半に終了し、解析結果について順次公表を進めていること、平成26年度に予定しているデータベース拡充の準備も進んでいることから、概ね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、レセプトデータから診療内容を抽出するための仕組みづくりを進め、11月を目途に診療内容の分析ができるよう、データベースの拡充を行う予定である。 平成27年度は拡充したデータベースをもとに適切な外来受診がその後の循環器疾患リスク因子の改善につながるかを検討するとともに、適切な外来受診による循環器疾患発症率の低減効果予測を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定した、医療費と診療日数のみのデータは当初見込みよりも少ない費用で整えることができた。データベースの拡充や詳細な解析を行うために、費用の一部を翌年度に振り替えることとした。 医療費分析に必要な統計ソフトの追加購入を検討中である。また、データベース拡充や、データを適切に管理するための人件費を平成26年度以降に使用する予定である。
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