研究課題/領域番号 |
25460811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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研究分担者 |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90268491)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 飲酒 / メタボリックシンドローム / アルコール感受性 / アルコール脱水素酵素 / アルデヒド脱水素酵素 / 遺伝型 / 生活習慣 / 肥満 |
研究概要 |
ある職域の男性労働者の中で、生活習慣、遺伝要因、メタボリックシンドローム関連健康指標の調査への参加の同意の得られた731名を対象として、アルコール感受性に関連する遺伝型および飲酒習慣の血清アディポネクチン値との関連性の検討を行った。生活習慣については、健診時に自記式質問票に記入してもらった。遺伝型については、血液試料よりDNAを抽出し、PCR法を用いて解析を行った。血清アディポネクチン値についてはELISA法にて測定を行った。 高血圧、高脂血症、糖尿病の治療を受けていない男性541人(年齢の平均±標準偏差:51.5±5.9歳)を対象とした。飲酒習慣については、1日平均飲酒量により3群に分けた。血清総アディポネクチン(T-Ad)値、高分子量アディポネクチン(HMW-Ad)値、低分子量アディポネクチン(LMW-Ad)値は、いずれも、ADH1B*2/*2型においてのみ、多量飲酒群において値の低下を認めた。年齢、BMI、喫煙、運動により調整を行っても同様に有意な低下を認めた。ALDH2遺伝型については、いずれの遺伝型においても、多量飲酒群における有意な低下はみられなかった。今後さらに大人数の対象者において前向き調査による確認が必要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルコール感受性に関わる2つの遺伝型と、飲酒習慣との交互作用により、炎症を抑制する作用を有する生理活性物質として重要であるアディポネクチン値の低下を引き起こすことを示すことができた。今後は、さらに大人数の対象者において前向き研究デザインにより確認していくことが必要と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今回の対象者集団において、炎症促進要因であるサイトカインの測定を合わせて行い、相互の関連性の検討を行う。また、他の大人数集団を対象として、前向き研究デザインにより、今回の結果を検証していく必要があると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、雑誌投稿費および別刷り費に充てるために残しておいたものであり、次年度の早い時期に、雑誌投稿費および別刷り費として使用する予定である。 次年度使用額は、H25年度の雑誌投稿費および別刷り費として使用する。H26年度に交付された予算については、H26年度に計画している生理活性物質の測定その他の費用に充てる予定である。
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