研究実績の概要 |
本研究の目的は、1)我が国の男性の労働者世代における職業別の死亡率に関して、2010年の人口動態職業・産業別統計より示すこと、2)死亡率の推移に関連する要因の検討のために1995年以降の職業別の生活習慣や予防行動の推移の健康を明らかにすることである。厚生労働省より解析に必要なデータを統計法に基づいて入手し、結果の解析を行った。 自覚的健康感については、製造業とサービス業において2005年から6年間の追跡では、管理職よりもむしろ悪化していることが示された。これは先行研究の死亡率の結果とは相反する結果であった。これはリーマンショック後の円高によって製造業において雇用者数が減り、非正規が導入されたことが関連している可能性がある。 心理的ストレス相当についても同様に管理職の方が良く、製造業において悪化している傾向が早いことが示された。さらに、管理職の癌死亡の増加に着目し、職種によって喫煙をやめる行動がどの程度異なるかについて解析を行ったところ、製造業、保安業、運送業において喫煙を管理者よりもやめない傾向が示された。また、仕事よりも個人的な要因によって心理的ストレス相当が大きくなっている可能性も国民生活基礎調査を用いた研究で示された。 昨年度掲載された論文は以下である。Wada K, Eguchi H, Yoneoka D, Okahisa J, Smith DR. Associations between psychological distress and the most concerning present personal problems among working-age men in Japan. BMC Public Health 2015;15:305 また、現在、別3本が査読中である。
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