研究課題/領域番号 |
25460815
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
須賀 万智 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (30339858)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アンケート調査 / 援助要請 / 近隣効果 |
研究実績の概要 |
1.悩みを抱える人の相談体制の整備は地域の自殺予防対策の中核を成すが、有効に機能するには、該当者本人のhelp-seekingを促進するポピュレーション戦略が必要である。昨年度、help-seekingに関する文献レビューを行い、help-seekingに影響を与えると考えられる要因を整理した。この結果に基づき、日本の成人男女のhelp-seeking意図を調べるアンケート調査を実施した。調査対象はインターネット調査会社(株式会社インテージ)の登録モニターから千葉・新潟・長野・福岡県在住の20~59歳男女(学生、医療関係者を除く)とした。調査は平成26年6月に実施し、回答者は3365名であった。 help-seeking意図は「あなた自身が深刻な心の健康問題を抱えていた」場合と以下の(1)~(4)の状況について、身近な人や専門家に相談するかを尋ねた。2週間以上、毎日のように(1)近所トラブルでイライラしていた、(2)吐き気を伴うひどいめまいを繰り返した、(3)疲れているのに眠れない状態が続いた、(4)1日中ずっと憂うつで仕事や家事が手につかない状態が続いた。 2.調査結果から、不適格・矛盾回答を除いた3308名を対象に、各場面におけるhelp-seeking意図とそれに関わる要因を分析した。分析は「あなた自身が深刻な心の健康問題を抱えていた」場合に関して多重ロジスティック解析とパス解析、(1)~(4)の状況に関して多重ロジスティック解析を実施した。それぞれの結果を平成27年開催の関連学会に演題として投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のアンケート調査の準備作業が遅れた影響により、アンケート調査の実施時期が遅れた。ただし、今年度、調査は順調に進み、結果は期待どおりに得られている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査の結果、介入研究を行う前に、さらに新たに追究すべき課題が明らかになった。そこで、当初の計画に追加して、第2回のアンケート調査を実施する。調査対象は前回と同様にインターネット調査会社の登録モニターの20~59歳男女3000名(学生、医療関係者を除く)とする。help-seeking意図に影響を与える要因とその過程をさらに詳しく分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査が予定した時期までに終わらず、本年度にずれこんだ。
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次年度使用額の使用計画 |
第2回のアンケート調査は次年度早々に実施し、遅くとも10月までに完了する予定である。
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