研究課題/領域番号 |
25460816
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
井谷 修 大分大学, 医学部, 准教授 (70624162)
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研究分担者 |
地家 真紀 (池田真紀) 日本大学, 医学部, 助教 (20535166)
兼板 佳孝 大分大学, 医学部, 教授 (40366571)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 介入研究 / 衛生教育 / 労働者 / 労働災害 / 日中の眠気 / 睡眠 / 睡眠指針 / リーフレット |
研究実績の概要 |
本研究において得られたデータについて昨年度に引き続き更に詳細なデータ分析を継続した。追加分析としては,まずベースライン調査における労働災害・ヒヤリハットの経験と睡眠障害(PSQI)や昼間の眠気(ESS)との関連について多変量解析を行い検定した。その結果,労働災害・ヒヤリハットの経験と睡眠障害の程度に有意な関連を認めた(昼間の眠気については有意ではなかったがその傾向を認めた)。
次に,睡眠衛生教育効果について追加解析を行った。昨年度の全体解析では,睡眠に関する生活習慣についての行動変容や,睡眠障害や昼間の眠気について改善効果はいずれも有意なものは認められなかったが,今年度はさらに属性ごとの効果の違いを見るために,集団を様々な属性に分類した上で,分類ごとに感度分析を実施した。もともとの不眠症状の有無,昼間の眠気の有無,性別,年齢階級などで感度分析を行った。不眠症状や昼間の眠気についてはいずれの属性のものも睡眠衛生教育による有意な改善は認めなかったが,睡眠に関する生活習慣の行動変容については,年齢階級による感度分析において40歳未満の集団では「朝早起きするようにする」行動が,40歳以上の集団では「寝酒をしないようにする」習慣が,それぞれ介入群において有意に行動の変容が認められた。
これらの研究内容・研究結果について平成27年11月に開催された第74回日本公衆衛生学会総会にて学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初平成25年度にベースライン調査を行い平成27年度に睡眠衛生教育による介入後のフォローアップ調査を行う予定であったが,調査対象企業の協力もあり,これらの課程をすべて平成25年度中に終えることができた。平成26年度は調査を実施した2箇所の事業所のうち1箇所でフォローアップ調査を行い,データ分析を行った。平成27年度は詳細なデータ分析の継続と,研究結果の国内学会発表を行った。計画は遅滞なく順調に遂行されている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究最終年度であり,現在までに本研究で行った成果について,最終的な総括を行う予定である。具体的には,研究成果について6月に米国で開催される国際学会の米国睡眠学会総会にて発表予定である。また,本課題にて行った研究内容および研究結果について,得られた学術的知見について英文にて国際学術雑誌に投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画立案当初,研究に協力していただいた企業従業員への謝礼を検討していたが,企業側の配慮により謝礼不要で研究を実施することができた。そのため,謝礼支出が不要となり,次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は研究課題最終年度であり,研究成果を国際学術雑誌に投稿予定である。その際,掲載論文のオープンアクセス化のための費用として使用することを検討している。
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