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2014 年度 実施状況報告書

夜勤労働の前立腺疾患リスクにおける老化バイオマーカーの関連についての縦断研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460819
研究機関金沢医科大学

研究代表者

森河 裕子  金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)

研究分担者 中川 秀昭  金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード夜勤交代勤務 / DHEAS / ストレス / バイオマーカー
研究実績の概要

本研究は夜勤交代勤務がホルモン依存性のがんの発生との関連を明らかにする研究の一貫として、次のことを検討するために実施した。①前立腺特異抗原PSAレベルの経年変化と夜勤交代勤務への暴露との関連、②夜勤交代勤務の内分泌ホルモンすなわち副腎アンドロゲン(DHEAS)の加齢に伴う変化に対する影響、③夜勤交代勤務とPSAの経年変化の関連におけるDHEASレベルの関与。
調査対象は某製造業に勤務する男性40歳から64歳とした。平成26年度はDHEASを測定した(EIA法)。協力が得られたのは906人。現業系721人、事務系185人。勤務形態は常日勤550人、3交代215人、2交代98人、他43人であった。DHEASの平均値は2186ng/ml(範囲319-6860)で、年齢と有意な負の関連があった。また、抑うつ得点は正の相関、HbA1cとは負の相関が認められた。勤務体制との関連をみるために、対象者を職種によって事務系と現業系に分け、現業系は勤務体制によって3群(常日勤、交代で深夜なし、交代で深夜あり)に分類した。分散分析を用いて交絡要因を調整DHEASの平均値を4群間で比較した。有意差は認められなかったが最低値は現業系の常日勤者、最高は事務系であった。次に、一般化推定方程式(GEE)を用いてDHEASの加齢による低下度を4群間で比較したところ、最も加齢による減衰が大きかった順に、現業系の常日勤者、現業系・交代勤務(深夜なし)、現業系・交代勤務(深夜あり)、事務系であった。仮説では、現業系の交代勤務者でDHEASの低下度が大きいことを想定していたが、逆の結果であった。DHEASは身体的・心理的ストレスによって上昇している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度は対象集団における血液採取を行い、1回目の副腎アンドロゲン(DHEAS)の分析が終了した。職業要因、交絡要因の調査も終了した。これらのデータを連結し、横断的分析を行った

今後の研究の推進方策

平成27年度は再度同一対象に対してDHEASを測定し、1年間の変化を検討し、勤務体制やストレスとの関連を検討する。それによってDHEASのバイオマーカーとしての意義がより明確になると考えられる。また、PSAを測定し4年前の平成23年に測定した値からの変化を調べ、DHEASや同じく平成23年に測定した酸化ストレスマーカーの8-OHDGとの関連を検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初から、調査対象に対して、老化バイオマーカー(DHEAS)を1年の間隔をおいて2度測定する予定であった。調査研究スタートの遅れから、2回目の測定が翌年度となった。合わせて前立腺腫瘍抗原PSAの測定も次年度に実施することになり、繰り越しが必要となった。

次年度使用額の使用計画

同一対象者(約1000名)に対して、老化バイオマーカー(DHEAS)を再度測定する。
加えて、前立腺腫瘍抗原PSAを1000名に対して実施する。

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公開日: 2016-05-27  

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