日本人18例、韓国人39例の剖検肺を対象として含鉄小体及び非被覆繊維及び透過型分析電子顕微鏡を用いて石綿繊維に種類別の計測を行った。日本人が全ての濃度で韓国人に比べて有意に高値であった。含鉄小体濃度、非被覆繊維濃度ともに、石綿・非石綿繊維濃度と有意な相関を認めた。含鉄小体濃度、非被覆繊維濃度は、石綿・非石綿繊維濃度と概ね有意な相関が得られたが、含鉄小体濃度においては、角閃石系石綿濃度とは有意な相関が得られなかった。非被覆繊維濃度との相関が含鉄小体濃度との相関よりも強いことが確認された。石綿曝露が比較的少ない今回の対象例では、非被覆繊維の計測により、より正確な曝露評価が可能になると考えられた。
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