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2015 年度 実施状況報告書

自閉症傾向の早期発見のための新しい指標と予防法の開発―食とアレルギーとの関連から

研究課題

研究課題/領域番号 25460830
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

相良 多喜子  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (30249164)

研究分担者 中村 裕之  金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
三辺 義雄  金沢大学, 医学系, 教授 (60181947)
人見 嘉哲  金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545) [辞退]
神林 康弘  金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード自閉症 / 小児 / 食育 / 栄養 / アレルギー / 環境 / コホート / 予防
研究実績の概要

アレルギー疾患を有する児童は、肥満の合併リスクが高いことが示されている。また自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する児童もアレルギー疾患およびやせ・肥満の合併を指摘されている。そこで、今回の研究では、アレルギー症状に対するASD傾向および体格の関連について調査した。石川県志賀町の幼稚園および保育園計7校に在学する未就学児417人の保護者を対象とし、自記式の質問紙による調査を行った。ASD傾向のスクリーニングには、対人コミュニケーション質問紙(SCQ: social communication questionnaire)を用いた。SCQ得点11点以上の児童をASD傾向ありと定義した。体格は、性別・年齢別に定義されたBMIのカットオフ値を用いて、やせ、普通体重、過体重を定義した。有効回答数は337(80.8%)であった。SPSS第22版を用いて、カイ二乗検定および多変量ロジスティック解析を実施した。ASD傾向ありの該当者は15人(4.5%)存在した。アレルギー症状を有した者は、喘息は50人(14.8%)、アレルギー性鼻炎は18人(5.3%)、アトピー性皮膚炎は38人(11.3%)であった。ASD傾向ありに該当した者は、アトピー性皮膚炎の症状を有した者では5人(13.2%)存在したのに対し、症状を有さない者では10人(3.3%)であり、有意な差が認められた(P=0.018)。ASD傾向とアトピー性皮膚炎の間には有意な正の関連性(オッズ比3.84、95%信頼区間[1.20-12.24])が認められた。また、喘息と過体重の間には有意な正の関連性(オッズ比2.37、95%信頼区間[1.02-5.51])が認められた。以上より、アトピー性皮膚炎とASD傾向、および喘息と過体重の関連性が確かめられた。アレルギー疾患・ASD・肥満の関連性を、さらに大規模な研究で明らかにしていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は幼児のこころの健康の関連因子を明らかにするためのコホート研究であり、食傾向とアレルギーを中心とした解析によって、関連因子の同定に一定の成果を得た。

今後の研究の推進方策

現在、これらの因果関係を明らかにするためのコホートをさらなる疫学研究によって解析中であり、子どものこころの健康に対する、より早期発見のための妥当性の高い診断ツールの開発と早期介入によるサポート体制の確立を行う必要があり、食を中心とした生活習慣改善による予防法を開発する予定である。

次年度使用額が生じた理由

幼児用食事調査についての追加調査の終了が予定期間(平成27年度中)を過ぎたため、その追加調査の実施に必要な支払いに次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

コホート研究を予定通り遂行する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Prevalence of Chronic Pain, Especially Headache, and Relationship with Health-Related Quality of Life in Middle-Aged Japanese Residents.2016

    • 著者名/発表者名
      Mitoma J, Kitaoka M, Asakura H, Anyenda EO, Hori D, Nguyen TT, Hamagishi T, Hayashi K, Suzuki F, Shimizu Y, Tsujiguchi H, Kambayashi Y, Hibino Y, Konoshita T, Sagara T, Shibata A, Nakamura H
    • 雑誌名

      Health

      巻: 8 ページ: 116-124

    • DOI

      10.4236/health.2016.81014.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 女子大学生の疲労自覚症状に関わる要因の検討2015

    • 著者名/発表者名
      相良多喜子
    • 学会等名
      第62回日本栄養改善学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-26
  • [学会発表] 小中学校児童生徒の自閉症傾向は、体型および栄養状態と関連する2015

    • 著者名/発表者名
      堀大介、辻口博聖、神林康弘、濱岸利夫、北岡政美、三苫純子、朝倉大貴、鈴木史彦、Anyenda Enoch Olando、Nguyen Thi Thu Thao、中村剛、木戸康人、能登裕幸、荒舩丈一、清水由加里、林宏一郎、日比野由利、柴田亜樹、相良多喜子、笹原信一朗、松崎一葉、中村裕之
    • 学会等名
      第25回体力・栄養・免疫学会大会
    • 発表場所
      帝京科学大学(東京)
    • 年月日
      2015-08-22 – 2015-08-23
  • [学会発表] 生活習慣および精神的健康度と健診受診行動との関連2015

    • 著者名/発表者名
      辻口博聖、堀大介、神林康弘、朝倉大貴、北岡政美、三苫純子, Anyenda Enoch Olando, Nguyen Thi Thu Thao、濱岸利夫、中村剛、木戸康人、能登裕幸、鈴木史彦、荒舩丈一、清水由加里、林宏一郎、日比野由利、柴田亜樹、相良多喜子、中村裕之
    • 学会等名
      第13回日本予防医学会学術総会
    • 発表場所
      フレンドパーク石川(石川県)
    • 年月日
      2015-06-20 – 2015-06-21
  • [学会発表] 精神的健康度と性,年代,生活習慣要因の関連-金沢市一般住民の横断調査2015

    • 著者名/発表者名
      堀大介、辻口博聖、神林康弘、濱岸利夫、北岡政美、三苫純子、朝倉大貴、鈴木史彦, Anyenda Enoch Olando, Nguyen Thi Thu Thao、中村 剛、木戸康人、能登裕幸、荒舩丈一、清水由加里、林宏一郎、日比野由利、柴田亜樹、相良多喜子、笹原信一朗、松崎一葉、中村裕之
    • 学会等名
      第13回日本予防医学会学術総会
    • 発表場所
      フレンドパーク石川(石川県)
    • 年月日
      2015-06-20 – 2015-06-21

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公開日: 2017-01-06  

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