研究実績の概要 |
28年度DPCコード全4918に対して、標準化を図ることが可能なもの、やや困難なものを同定した。分析対象は、入手できた1,376,544症例、3493病院のDPCデータである。これ病床規模に応じて400-599、600-799、および800床以上の3群に分けて解析した。 各施設における平均在院日数を算出し、在院日数が平均在院日数の±2日(以下標準在院日数という)の範囲に含まれる症例が80%以上になる傷病・介入をDPCコード(14桁)から求めた。これは予備研究として千葉大学医学部附属病院のデータ(DPC)を用いた解析から求めた判断基準である。 DCPコート別在院日数単一的診療行為を標準在院日数で75%以上の症例に実施(以下標準的実施率という)しているのは163病院(11.3%)260,377症例(18.9%)、50-74%の症例に実施しているのは101病院(7.3%)175,535症例(12.8%)、25-49%の症例に実施しているのは119病院(8.6%)108,936症例(7.9%)、24%以下の実施は998病院(72.3%)831,696症例(60.4%)であった。これらを400-599床、600-799床、800床超の3病院規模群に分けて同様に検討してみたところ、病院規模によらず一致率の高いDPCコードは116(2.3%)に過ぎないが、これらの疾患介入群に属する患者は380,326症例(27.6%)であり、DPC病院が扱う症例の約4分の1をカバーできることが分かった。これらはわが国として標準治療をパスにまとめてもよいと思われる傷病介入ともいえる。 次に抗生剤使用状況から解析すると同一施設内でも分散が大きく、抗生剤使用の標準化があまり進んでいないことが判明し、千葉大病院において2年間にわたりキャンペーンを行い標準化することができた。
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