研究課題/領域番号 |
25460838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小池 竜司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (50250220)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 院内感染管理 |
研究概要 |
研究計画調書に基づき、当院内において支持的antimicrobial stewardship(ASP)を実施するための研究計画書を作成した。その中で、支持的ASPの注意喚起通知の文面を確定し、ひな形用のフォルダを電子カルテ内に作成した。支持的ASPの対象とする診療科を選定し、研究全体の中で注意喚起通知等を行うスケジュールを具体化した。本学医学部倫理審査委員会に、被験者が存在しない臨床研究として研究計画の申請を行い、研究実施が承認された(2013年7月)。並行して院内の耐性菌検出状況の調査を継続するとともに、病院集計資料より公表される対象診療科の入院患者数、診療請求金額のベースラインデータの収集を開始し、整理を行った。6か月のベースラインデータ収集の完了の後、2013年11月より、第一クールの二つのパターンの介入を5診療科対象に開始した。 さらに、2014年3月に米国Harvard大学より感染症専門医であるJ.Katz医師が来日し、当院における感染対策ラウンドおよびミーティングに参加し意見交換を行った。その中で、本研究におけるASPの手法について提示し、議論を行ったところ、現実的で有効性が期待できる方法であり、その成果が注目されるとの意見を得ることができた。また感染制御上の重要な情報であるantibiogramについて、米国および当院の情報をお互いに提示して公開セミナーを実施した。当院では米国と比較してバンコマイシン耐性や高度耐性を呈する菌の検出頻度は低いが、カルバペネム系薬に対する全般的感受性が低下している傾向が示唆され、本研究で用いるASPの意義を検証することは重要であることを再確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はほぼ計画通りに進行しており、予算も不足することはなかった。倫理審査も承認が得られており、引き続き研究実施が可能な状態である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書どおりに、注意喚起通知による介入とデータ収集を継続する。第一クール終了時点で途中集計を行い、本研究で行った支持的ASPの診療状況や院内感染管理への影響について中間評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
関連する学会や研究会の大部分が東京周辺で開催されたため、旅費の執行が少なく済んだ。研究立ち上げに際して、事務作業が効率よく進み、人件費・謝金が使用されなかったため。 国内の研究会、学会等が東京以外で開催予定があり、執行される予定である。本研究に関連した院内感染対策活動について、物品や謝金等の使用が増加する見通しである。
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