研究課題/領域番号 |
25460841
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 理宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70506493)
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研究分担者 |
溝口 理一郎 北陸先端科学技術大学院大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20116106)
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20252710)
三原 直樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379192)
笹嶋 宗彦 大阪大学, 産業科学研究所, 研究員 (80402999)
松村 泰志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252642)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療行為 / オンコロジー / クリニカルパス / ガイドライン |
研究実績の概要 |
今年度は医師の行う医療行為の記載を行うことを目的とした。医療行為は病気を「診断」した上で、「治療」を行うが本研究は「治療」にのみ着目している。 「循環器疾患の最新の治療」(南江堂)と、日本循環器学会の発行する「急性心不全治療ガイドライン」、「慢性心不全治療ガイドライン」から心不全の治療行為のCHARMへの記載を試みた。「生命予後の改善」を目的とする医療行為は、「急性期対処方式」:恒常性が破たんした状態から破たんしていない状態に変える行為と「将来的予後改善方式」:将来的に恒常性が破たんしない状態に変える行為に分けられた。「急性期対処方式」は急性心不全など、恒常性が破たんした状態で患者が来院し、カテコラミン投与、補助循環装置の使用など恒常性が破たんしていない状態に変えることを目的とする。「将来的予後改善方式」は現時点で恒常性は破たんしていないが将来的に恒常性が破たんすることが予測される疾患に対して、心不全に対するACE阻害薬、ARB、β遮断薬の投与など「非侵襲的治療方式」と、がんによる胃切除など「侵襲的治療方式」に分けられた。「侵襲的治療方式」の場合、患者の状態を安全に治療できる状態にした後、手術による切除術や抗がん剤の投与等の副作用により人為的に恒常性を破たんさせ、破たんした恒常性を元に戻す治療行為が行われていた。昨年度記載したがん治療を中心とした治療行為はこの下に記載が行われることが明らかとなった。「生命予後の改善」を最終目的とする木構造は多くの医療行為で適応できるが、目的として「QOLの改善」を考慮する必要があった。「QOLの改善」は必ずしも生命予後を改善しないため、「生命予後の改善」と並列に記載を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、クリニカルパスの記載に加え、教科書、ガイドラインからCHARMの記載を達成したため、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、クリニカルパスで記載したがん治療に対して、学会が出すガイドラインをCHARM木し、既に作成済みであるクリニカルパスによるCHARM木との結合を行う。最終年度であるため、これまで作成してきたCHARM木を元に治療行為の一般化を試みる。 さらに作成したCHARM木をもとにクリニカルパスを作成する方法について検討を行う。このことが実現できれば、クリニカルパスに散らばる医療行為を目的をもった医療行為ごとに明示することが可能となる。アウトカムはCHARM木の目的階層で表現され、それに対するバリアンスを設定することで、バリアンス解析が個別の医療行為ごとに行えることになる。さらに、心不全や脳梗塞など、治療期間が患者ごとにことなるため、これまでクリニカルパスで表現することが難しかった疾患に対しても、クリニカルパスの適応が可能となり、医療の標準化の一助となると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に予定していたシステム改造費用が安価であったため。 システムに使用予定であったパソコンが流用可能であり、購入不要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の公表ならびに、論文発表に使用予定。 システム改造費用に使用予定。
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