研究課題/領域番号 |
25460842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三原 直樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379192)
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研究分担者 |
武田 理宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70506493)
松村 泰志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252642)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | PACS / 医用画像保管システム / アクセスログ / DICOM / 画像表示 / 画像診断 |
研究概要 |
電子化が定着した医用画像は医療機器の進化に伴いその発生容量が大幅に増加し続けている。保管に用いるハードディスクの価格が下がり大容量の画像が保管可能となっているが、大容量が故に表示速度の遅延が臨床現場での許容範囲を超えるようになってきている。また保管されている画像は画一的に保管され、その重要性や優先度などは人間が肉眼で判断する必要がある。 本研究の目的は、 画像を如何に保管するかという一定の方法論を導き出すことである。これをシステムログ、アクセスログを解析することであるべき法則を見いだし、それに応じて保管場所を決定する。また現場のニーズに応じた画像表示方法も定まった法則がない。そこでシステムのログ情報を元にニーズに応じた画像表示方法論を導き出し、ユーザが望む形で画像や表示機能が提供できれば、画像診断の効率化、ひいては医療の質向上に貢献できるものと考えられる。 この各種のログを収集し解析するためにアクセスログ収集システムを構築した。ログ収集対象システムとして、PACSサーバにおけるDAS(DICOM Application Sever)、STS(Short Term Storage)、EA(Enterprise Archive)+LTA(Long Term Archive)がある。またViewerを構成するシステムのサーバとして、iDIR(Matrix View)、K-Web(Kawanaka Web Viewer)、Cweb(Centricity Web Viewer)、WebDx(いずれも商品名)がそれぞれある。これらのシステムにログ収集用スクリプトを開発し、ログ収集専用端末にインストールした。各種ログはこの端末にネットワークを介して収集できるように構築した。計7つのシステムに半年間をかけてこれらのシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度計画した内容はほぼ達成している。解析用にAccessを使用する予定であったがデータ量が膨大となったため、使用するデータベースソフトとしてMySQL、解析ソフトにMatlabを使用する事に変更した。MySQLはフリーのソフトウェアであり、Matlabは既に教室に保有していたソフトウェアであったため、本研究の計画資金に影響はない。今年度構築したシステムに収集したログを、来年度の計画推進に備えて呼び解析を行った。当初予想していたログは十分収集できており、予定通り来年度の解析を行えるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、適切な画像保管のための理論、臨床上適切な画像表示理論を構築する事を目指す。最適化理論が構築できた後、システムベンダーの協力の下テスト環境を構築し、この理論を実装して動作確認することを予定している。臨床現場でのそれぞれのシーンに応じて、理想的なワークフローを考案し、このフローが最適化理論によって実現できているかどうか検証を行う。臨床応用のためには相当数のシーン解析が必要と考えており、今年度中および次年度にかけて数多くのデータを蓄積して行く予定である。 予備実験は診療各科、あるいは臓器別グループごとに行っていく必要があると考えられる。これを全診療科でシステム上シミュレーションし、データ蓄積、解析後、最適化理論を構築することで、本番環境への実装準備が整うと考えている。本研究により、これまで蓄積するだけであった医用画像を、ニーズに応じて効率よく保管し、閲覧できる環境が整うと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度にログ収集の為構築予定であったシステムのハードウェアに関して、既存のハードウェアを流用することでコストを抑えることが出来た。一方で、今年度開発したソフトウェアについては、テスト運用の結果、カスタマイズが必要であることが判明した。このため次年度に使用する事にした費用をこのカスタマイズにあてることとした。 今年度作成したソフトウェアは当初の目的を達成したが、研究を進めるうち新たに追加でソフトウェアのカスタマイズが必要であることが判明した。また他のシステムとのインターフェイスを構築する目的でやはりソフトウェアに追加でカスタマイズが発生することが判明した。次年度使用額はこのカスタマイズのために当てることとする。具体的には収集するログ項目の追加の為のデータベース再構築作業、解析用ツールとのインターフェース構築作業などがある。
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