研究課題
昨今の医療機器の進歩は目覚ましく、画像診断装置においても例外ではない。高機能な撮影装置では、ミリ単位の詳細な画像を撮影することが出来、病変の早期診断、早期治療に有用である。また生体の機能をトレースすることが出来る機能画像診断分野も長足の進歩を遂げ、医療における画像診断の占める役割はますます重要となってきている。しかしこうなると同時に発生する画像容量は膨大なものとなり、その大量の画像を効率よく保管し、必要なときには迅速に閲覧できる仕組み作りが重要となる。通常の医用画像保管システム(PACS: Picture Archiving Communication System)では、高速にアクセスできる短期保管領域と大容量の画像を保管する長期保管領域に分けて構成されることが多い。短期保管領域では、ここにデータがあれば比較的高速に画像を閲覧することが可能であるが価格は非常に高額である。また長期保管領域では比較的安価に大量の画像が保管できるがアクセス速度は短期保管領域に劣る。PACSではこれらのメリットを組み合わせ構成されることが一般的である。つまり、ある一定期間は高速な短期保管領域に画像が存在するが、それを過ぎると長期保管領域にしか画像が存在せず、長期間の後に画像閲覧が必要なときには、一旦比較的低速な長期保管領域から画像を高速な短期保管領域に移動し、これを画像参照ビューアにて閲覧する必要がある。こうなると一検査あたりに当該画像が大容量であった場合、必要なときに迅速に画像を閲覧ことが出来ず、多忙な臨床現場では支障が出ることとなる。これを解決するためにシステムのログ情報を元にニーズに応じた画像表示方法論を導き出し、ユーザが望む形で画像や表示機能が提供できる様な理論を導き出すことで医療に貢献する事を目指し、新規にシステム構築を行った。
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