研究課題/領域番号 |
25460843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 博哉 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60229432)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多言語 / 医療 / ソフトウエア / 在住外国人 |
研究概要 |
医療従事者と在住外国人患者の相互理解におけて言語コミュニケーションの果たす役割は大きい.本研究では,医療通訳者に残る課題である即時性,簡便性,普遍性,医療経済的観点を克服する医療現場に対応した多言語医療会話支援ソフトウエアの開発・臨床応用を行なう.具体的には,コンピュータ上で日本語と外国語相互にリアルタイムで翻訳できるものとする. 本年度は、産後退院し地域に戻った外国人褥婦に対して、保健師が訪問した際に使用する多言語医療会話支援ソフトウエアの作成に取り組んだ。まず、保健師が褥婦より情報を収集する場面を想定し、日本語文例を作成し,英語,中国語,ポルトガル語,スペイン語に翻訳した.その内容は、訪問先の連絡先、児及び保護者の基本情報(家族構成、母親の国籍、父親の出身国、保険証の種類、勤労状況、日本語レベル、日本での居住歴、住居の種類)、母親の健康状況、妊娠・出産状況(既往歴、喫煙・飲酒歴及び習慣、妊娠中の医療・保健サービスの利用、妊娠中の合併症、過去の出産回数、分娩様式、出産時の母親の状況)、産後の母親の心身の状況(子宮復古、乳房の状態、乳汁の分泌、体調、気分)、 児の発育・発達(出生時の児の状況、発育状況、哺乳、神経学的発達、排泄、先天性股関節脱臼)、育児について(育児の協力者、育児の相談者、友達の有無、育児で困っていること、心配なこと)よりなる。支援の少ない外国人褥婦より必要な情報が収集できるように構成されている。英語とともに、ニーズの多い中国語,ポルトガル語,スペイン語に翻訳を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療従事者と在住外国人患者の相互理解を進める多言語医療会話支援ソフトウエアの開発・臨床応用が研究目的である。本年度はその外国人褥婦支援多言語医療会話支援ソフトウエアの日本語文例の作成と翻訳までを達成度としていた。文例の作成と英語,中国語,ポルトガル語,スペイン語への翻訳が終了した.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度で完成した多言語の文例を、平成26年度は汎用的なWindowsのOSを搭載したノート型PC上において単体で動作するソフトウエアの基本形(プロトタイプ)作成を目指す.開発ソフトウエアはCD-ROM等の媒体により,簡易に他のPCに移植が可能なものとする.既存のシステム構成をベ-スに利便性・拡張性に富んだシステムを再構築し,更にデ-タベ-ス化することにより正規化を図るシステムとする.
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