研究課題/領域番号 |
25460845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村永 文学 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00325812)
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研究分担者 |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40225230)
宇都 由美子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50223582)
岩穴口 孝 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80619198)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | データマイニング / 医薬品相互作用 / アソシエーション分析 / ベイジアンネットワーク |
研究概要 |
我々は過去の研究において、医薬品の相互作用による有害事象のシグナルを検知するシステムを開発し、そのアルゴリズムとして、データマイニング技法の1つであるアソシエーション分析が有用であることを見出した。コントロール症例群の薬歴と調査群の薬歴の乖離が大きい場合に検知能力が落ちる等の改善すべき点についても判明した。本研究では、アソシエーション分析手法による相互作用薬発見機能の検知精度の向上と、さらにベイジアン・ネットワーク等の他のアルゴリズムについても比較検討を行い、本システムのシグナル検知機能のさらなる改良について研究する。本研究は3 年間の研究期間において、医薬品相互作用データウェアハウスへの複数のデータマイニング技法の評価と、データマイニング精度向上のための知識データベースの構築手法の確立を行う計画である。 平成25年度は、主に、医薬品相互作用の有害事象シグナル検知用データウェアハウスシステムを構築し、総合病院情報システムの薬歴・検査結果・電子カルテ記事データを抽出し登録した。さらに併用禁忌・相互作用データベースを含む薬剤添付文書情報の登録を行い、併用薬に関する調査を行った。 さらに、アソシエーション分析とは異なるアルゴリズムによる医薬品相互作用システム構築の第一歩として、大学院生らとともに、2型糖尿病患者の糖尿病合併症の危険因子の発見をテーマにベイジアンネットワークによる分析を開始した。その結果、インスリン投与・男性・喫煙ありの場合に、脳血管障害の危険性が有意に上がることを発見できた。本成果については、2014年の医療情報学会春季学術大会にて発表する予定である。これらのトライアルによって、ベイジアンネットワークの特徴と利用時の問題点等について把握できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は分析の基本となるデータウェアハウスシステムの構築を終え、加えてアソシエーション分析以外のアルゴリズムであるベイジアンネットワークによる分析のトライアルを実施し、良好な結果を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
医薬品相互作用にベイジアンネットワークをどのように応用させるかについて、研究を進める。 その他、テキストマイニング手法についても、TF-IDF法を用いて誤嚥患者の予防に関する研究を大学院生らと開始しており、その成果は、医薬品相互作用の症状の検出に応用可能であると考えている。 加えて、ニューラルネットワーク等の、他のアルゴリズムについても、大学院生らとともにトライアルを重ね、その有用性を検証していきたい。
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