研究課題/領域番号 |
25460852
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高井 雄二郎 東邦大学, 医学部, 准教授 (90349887)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データウェハース / データマイニング / ビッグデータ / 医療安全 / 臨床指標 |
研究実績の概要 |
①基幹システムであるデーターウェハース(DWH)サーバーは追加更新は随時行っており、今年度も新規データベースに更新予定である。これまでも約6年分の電子カルテデータベースを使用して、データマイニングおよび解析を行ってきた。現在より最新のデータベースを使用準備しており、準備が整い次第活用予定である。 ②医療安全管理部と共同で、医療安全管理について必要なデータの抽出や分析を開始している。今年度は実際に行った研究としては、睡眠薬によるせん妄や転倒防止のためにベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の使用を高齢者には控えるようにいくつかの本邦ガイドラインで推奨されている。しかしながら本邦では未だ全国的に使用頻度が高く、周知もまだまだであるのが現状である。医療安全上この現状を早急に対応する必要があり、本研究の手法を用いて、当院全診療科の不眠症患者診療状況および、睡眠薬使用実態調査を行った。その結果、BZ系睡眠薬の使用が未だ多く、一部増加さえしている実態を容易に解析でき、臨床指標の提案などを行った。この結果については関連学会でシンポジウム発表を行った。またこの結果を元に適切な睡眠薬使用の選定作業を現在院内で行っており、当院の医療安全向上に貢献できている。 ③当院のクリニカルパスの使用が、実際に在院日数に関連しているか、当院全診療科で横断的検討を行い、関連学会で発表を行った。 ④他には発表、未発表を含めた臨床研究補助として、いくつかの研究で症例抽出にDWHサーバーを用いた検索を行い、発表補助を行った。 ⑤当院や、各診療科の特長を表す臨床指標の構築、公開に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①データベース活用には、最大限の個人情報や当該診療科への配慮が必要であり、手続きに時間がかかっている。 ②DWHとマッチした適切な医療安全上のテーマを提案し、実際に共同作業するまでに医療安全管理部とのすりあわせが必要であり、その扱いや改善の運用に結びつけるのは、全体の足並みをそろえる必要もあり、なかなか容易ではない事。 ③臨床指標も、各診療科の同意が必要であり、なかには不都合な臨床指標に対して、提案が難しい現状がある。
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今後の研究の推進方策 |
①この研究は短期的に結果を出すという性格のものではなく、その時々の時勢にあったテーマを扱うことで、医療安全や診療の質向上の補助を測るものである。 ②現状の取り組みも論文化するには倫理上、病院情報管理の問題などがあるが、なるべく早期に関連学会に投稿していく。 ③今後の臨床研究補助については、院内倫理的にクリアされているものについては積極的に行っていく。 ④臨床指標も研究者の関連する部署でまず、定義し、HP上で公開していく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベース解析用の統計ソフトの選定、準備が一部滞っていていたため、今年度購入ができず、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度データベース解析用の統計ソフトを購入して、解析作業に活用する予定。 他には論文投稿や成果発表のための学会参加費用等。
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