研究課題/領域番号 |
25460859
|
研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
原田 和宏 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80449892)
|
研究分担者 |
橋立 博幸 杏林大学, 保健学部, 講師 (00369373)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | リハビリテーション / 適用 / 指標 / サービス供給 / 調査 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,新規疾患を発病した患者を対象として医学的リハビリテーションサービスを適用する必然性(適用度)について数量化指標の作成を行った. 1.調査地は和歌山県内の一医療機関で,65名(入院62,外来3;運動器系39名,脳血管障害22名,廃用症候群4名)を対象とし,外部基準との有意な相関が得られた項目は「目標への到達に肯定的な予想」「モチベーション」「サービスを拒否する理由や除外する理由(逆転)」「患者教育研修を必要」「サービスの提供に応える身体的心理的状態」で,主成分負荷量は0.3以上であった.合計点は平均13.8点(20満点),SD3.2点,正規性があった.外部基準との相関は中程度の正の相関,発症後の重症性を表すmodified Rankin Scale,Functional Ambulation Classification, Barthel ADL indexとは無関係であった. 2.調査地は山梨県内の一通所事業所で,上記で作成した評価項目について認知症を有する在宅高齢者24名,有しない者23名に対して測定した.両群はADL能力には違いはなかったものの,医学的リハビリテーション適用度は認知症を有する群で有意に低かった.また,コメディカルスタッフにおける検者内信頼性と検者間信頼性の検討を行った. 以上のことから,コメディカルスタッフによる医学的リハビリテーション適用度の評価は一定程度の妥当性と信頼性を有することが明らかになった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進んだ理由は以下の通りである. 1.疾患発症後の患者データが予定通り70名弱の規模で収集できたこと.そして追跡調査が順調に行い得ていること 2.介護保険サービス利用者(疾患の慢性期およびフレイル高齢者を想定)対象とする横断データで50名が測定できたこと,1年後の縦断調査も行い得たこと,かつコメディカルスタッフの検者間信頼性が得られたこと 3.両調査地点で,現在までに調査活動における有害事象や苦情は発生していないこと 4.評価項目について外的基準との関連性,構成概念妥当性および信頼性を検討し得たこと.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は得られた測定モデルの多角的検証を継続する.Rasch分析および項目反応分析を進めて,構成概念妥当性の検討と評価値の合成スコア化を目指す. その後,医療と在宅期の「医学的リハビリテーション適用度」の推移を記述し,実際のサービス量との乖離を把握し,2025年を目途とした医療提供体制の改革に向けた連携課題として視覚化することを目指したい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
1.2年目に予定した国内の成果発表が次年度となったため(登録は完了). 2.調査データ収集で想定していた出張が,協力機関の全面的な活動が得られたため,最終年度のみで可能となったため.
|
次年度使用額の使用計画 |
1.縦断調査の完結を目指すために,実際のサービス量のデータ収集のために研究代表者が研究協力施設に複数回訪問する. 2.成果発表を国内と海外でそれぞれ追加する.
|