研究課題
既に我々は、血球系細胞特異的エンハンサー(+5.8-kb site)を同定し、ABOの亜型であるBm、AmやA3型ではこの+5.8-kb siteに欠失や塩基置換があることを報告してきた。今回は、通常型ABO式血液型の+5.8-kb siteのハプロタイプについて解析を行い、両者の間の遺伝子型特異的なリンクを検討した。通常型ABO式血液型113名の遺伝子のエキソン6・7及び+5.8-kb siteの塩基配列を調べた。その結果+5.8-kb siteには6種類のハプロタイプが見いだされ、それぞれABOInt1*01-06と命名した。218/226アリルで、ABOInt1*04を有するアリルではA遺伝子と、ABOInt1*06を有するアリルではB遺伝子と、ABOInt1*01-03、ABOInt1*05アリルではO遺伝子とリンクしていると推測された。Peptide Nucleic Acid (PNA)-clamping PCR及びクローニングにより、AおよびB遺伝子のアリル特異性は確認された。また、各種ハプロタイプの+5.8-kb siteを組み込んだルシフェラーゼレポータープラスミドを用いたレポーターアッセイでは、6種のハプロタイプ間にはエンハンサー活性に有意な差がなかった。 一方、8アリルにおいて例外が存在し、ABOInt1*03がB遺伝子と、ABOInt1*04がO遺伝子と、ABOInt1*05がA遺伝子、ABOInt1*06がA遺伝子とリンクしたアリルが見出され、いずれもAやB遺伝子とリンクしたアリルであることが直接証明された。ABO遺伝子のイントロン6或いはエキソン7中で組み換えが生じた事例は既に報告されており、ABOInt1*06がA遺伝子とリンクしたアリルは、組み換えにより生じたと推測され、他の5例も組み換えにより生じた可能性が考えられた。
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