研究課題/領域番号 |
25460866
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 淳 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00207961)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | INDEL多型 / 個人識別 / 日本人集団 |
研究実績の概要 |
INDEL多型とは数bpから十数bp程度の短い塩基配列の挿入もしくは欠失により生ずるDNA多型のことであり、新しいDNAマーカーとして様々な領域でその利用が期待されている。本研究の目的は、日本人に最適化された、識別能の高いマルチプレックスINDEL多型検出システムを開発し、法医鑑定実務に応用することである。 これまでに、インターネット上のデータベースサイトならびに既報のデータをもとに常染色体の非遺伝子領域にある12種類のINDEL多型マーカー(rs1160956、rs2308137、rs35769550、rs2308020、rs33917182、rs3047269、rs2307708、rs1160963、rs2307978、rs1160886、rs10688868、rs35605984)を選択し、PCR増幅条件ならびに日本人集団における多型性について検討した。その結果、これらのPCR増幅産物のサイズは75 bpから160 bpと小さく、いずれも一方のアレルの出現頻度は0.5から0.6を示すことから、選択した12種類のINDELマーカーは日本人集団において高い多型性を有し、法医学的個人識別に有効と考えられた。 最終年度にあたるH27年度は、H26年度までと同様に常染色体の非遺伝子領域にあるINDEL多型マーカーを新たに選択するとともに、選択したINDEL多型マーカーによるマルチプレックス検出の検討ならびに陳旧法医学的試料を用いたマルチプレックスINDEL多型検出システムの有用性について評価する予定であった。しかしながら、病気により研究を進めることがほとんどできなかったので、研究を完遂するために1年度の補助事業期間の延長を申請し、承認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マルチプレックスINDEL多型検出システムの構築に向けて、日本人に適した12種類のINDEL多型マーカーを選び出すことができたが、H27年度中に開始する予定であったINDEL多型マーカーによるマルチプレックス検出条件の検討を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き日本人において多型性の高い複数のINDELマーカーを選び出すとともに、選択したINDEL多型マーカーによるマルチプレックス検出の検討を行う。また、陳旧法医学的試料を用い、マルチプレックスINDEL多型検出システムの有用性について評価する。
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