近年多種類の薬毒物が使用されているのみならず、規制外危険ドラッグ類も出回っている。法医学では中毒原因不明の事態にしばしば遭遇し、薬毒物の迅速で信頼できる一斉分析が必要である。 マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI) 質量分析(MS)法はMS法の中では最も感度が高いのみならず、1 試料20秒で結果が得られる簡便迅速なMS法である。このMALDI-MS法を用いて、薬毒物の高感度迅速一斉分析法を開発することを目的とした。この3年間の研究成果として、① 金属類、② 4種のアンフェタミン類、③ 危険ドラッグのカチノン4種類、カチノン6種類の一斉分析が可能となり、各々の中毒解剖例に適用した。
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