研究課題/領域番号 |
25460881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 講師 (80279140)
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研究分担者 |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ゲノムワイド多型解析 / 指紋 / 隆線数 / 多因子遺伝 |
研究概要 |
ヒトの指紋は現在でもなお最も有用な個人識別ツールの一つである。指紋の総隆線数には紋のパターンと同様個人差があり、従来より多因子遺伝形質であるとされてきた。 本研究計画では、総隆線数の決定に関与する遺伝子多型を同定することを目的とし、この目的が達成されれば、遺伝学的な知見の蓄積のみならず、形態としての指紋が採取できない身元不明者の身元確認等に貢献することが可能になると考えられる。研究計画の初年度にあたる当該年度では、目的達成のために、研究開始時既におこなっていた、ランダムな個体からなる同一集団中での、総隆線数の多いグループと少ないグループの2群についてのDNAマイクロアレイ解析の比較検討により得られた、総隆線数の決定に関与する可能性のある一塩基多型群(SNPs)をターゲットとし、当該集団におけるマイクロアレイ解析非対象検体(中くらいの総隆線数保有者)について、TaqMan probe法に基づくリアルタイムPCRを実施し各多型について遺伝子型判定をおこなった。 これらの決定した遺伝子型に、マイクロアレイ解析対象サンプル(極端な総隆線数保有サンプル)の情報を加えた集団全体のデータについて、各対立遺伝子の遺伝的性質として、①アディティブモデル、②優性モデルの、2つのモデルを想定し、ソフトウェアを用い、それぞれの遺伝子多型と総隆線数間の関連解析をおこなった。 しかしながら現在までに統計的に有意なSNPsを検出できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定としては、可能であれば25年度中に候補遺伝子群のうち少なくとも一部は絞り込みたいと考えていたが、その段階に至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2つのアプローチ法のうち、先天性無指紋症候群、ネーゲリ症候群、網状色素性皮膚症等の、指紋に異常を呈する疾患について、現在までに報告のある原因遺伝子の多型について、データベースを活用することにより多型を探索し解析を続け、候補遺伝子多型を絞り込みたいと考えている。候補遺伝子多型を同定できたら、より感度の度合いの大きいハプロタイプを推定する。さらに、各多型について、ソフトウェアを用い、機能を類推し、それぞれの予想された機能を検出するためのシステムを構築し多型による機能差を調べる。
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