研究課題/領域番号 |
25460884
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20375033)
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研究分担者 |
田村 太作 東北大学, 大学病院, 助教 (60375029)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 摂食障害 / 過敏性腸症候群 / 心身症 / 脳画像 / 認知行動療法 |
研究実績の概要 |
摂食障害患者および健常者の脳画像を千葉大学子どものこころの発達教育研究センター、九州大学病院心療内科、産業医科大学神経内科・心療内科、国立精神神経医療研究センター心身医学研究部と共同で撮像する計画を立て、倫理申請が承認された。この中で肯定的自己評価である自己効力感尺度質問紙を施行して脳画像データとの相関解析を行い、摂食障害患者における自己評価の機構解明を試みることになった。また、参加各施設で異なるMRIスキャナーで、撮像条件設定であるシークエンスを可能な限り共通化する決定を行った。 撮像施設である東北大学加齢医学研究所と協議の上研究プロトコルの修正を行った。初期案では患者群のみ1年後の再撮像を行なう予定だったが、修正案では健常群についても再撮像を行なうことになった。これに伴って承認済み倫理申請を修正し、承認された。 1月には試験的撮像を施行していて、それを元にシークエンスの再調整を行なった。 8月にはグラスゴーで開催された世界心身医学会において、心身症と認知行動療法に関する最新の情報収集を行なった。摂食障害学会においては、摂食障害の脳画像研究、特に認知制御と報酬系の以上に関する世界的な研究動向について概観する発表を行なった。また、摂食障害患者の認知行動療法として現在最も高いエビデンスを示している拡張型認知行動療法(Extended Cognitive Behavioral Therapy;CBT-E)の習得を目的としたセミナーにも参加した。摂食障害患者の消化器症状に関する英文総説を公刊している。 自己評価課題の予備実験を26名の健常被験者に対して施行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
東北大学加齢医学研究所との協議の結果、倫理申請を修正したため、今年度は試験撮像を一回施行するにとどまった。 また、摂食障害の認知行動療法として最もエビデンスレベルの高いCBT-Eを施行するには、提唱者であるオックスフォード大学のC. Fairburnの直接指導を受けなければならないことが判明したため、今年度はそのセミナーに参加した。さらに、CBT-Eの実務経験をつみながら監督指導を1年受けなければ、研究目的でCBT-Eを施行することは認められず、次年度から監督指導を受けることになった。
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今後の研究の推進方策 |
自己効力感と脳画像の相関解析を目的とした多施設共同での撮像は、準備を完了したため次年度からは本格的に軌道に乗る予定となっている。 一方で、次年度より1年間CBT-E指導者による監督指導を受ける。その間に予備実験を完遂して機能的MRI実験の準備を整える。また、過敏性腸症候群患者に対する認知行動療法のプロトコルの作成も次年度で行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は脳画像の試験撮像までにとどまり、また自己評価課題作成実験も第1段階の途中までとなったため、謝金の支出が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度から本格的撮像に入り、自己評価課題実験も進展するため、謝金を本格的に支出することになる。
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