研究課題/領域番号 |
25460887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大田 秀隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20431869)
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研究分担者 |
秋下 雅弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00261975)
小川 純人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20323579)
江頭 正人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80282630)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サルコペニア / フレイル / 加齢 / 筋肉 |
研究概要 |
ますます我が国では高齢化社会になり、介護という面が社会問題になっている。加齢に伴う筋肉量の減少および筋力の低下は、高齢者虚弱の原因となり、また日常生活を著しく損なうことにより、寝たきりなどの要介護状態を作り出す。このような加齢による筋力と筋量の低下を呈する病態をサルコペニアと呼び、近年注目されつつあるが、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。このサルコペニアを予防あるいは抑制することは、高齢化社会が益々進行しているわが国には急務の課題と言える。筋肉組織は血管・血流が豊富な組織のひとつであり、血管の老化による血管機能障害は、末梢循環不全や慢性炎症を惹起し、その結果、筋肉組織の老化・萎縮をもたらし、サルコペニアの病因のひとつとなっている可能性がある。今回我々はこの仮説をもとに、血管老化を制御することでサルコペニアを抑制できるか、そのメカニズムについてSIRT1を中心に検討を行いたい。近年、Sir2は酵母の長寿遺伝子として発見、その後線虫、ショウジョウバエにおいても老化・寿命を制御することが実験的に証明された。Sir2はDNA修復や転写制御を介して寿命の延長に作用する。Sir2哺乳類ホモログとして7種類同定され、そのうちSir2の機能を最もよく反映するのがSIRT1であり、ヒトにも存在する。近年、SIRT1は筋芽細胞の分化やその維持に重要な役割を果たしている事は報告されている(Fulco M et al. Dev Cell. 2008.)。このSIRT1を中心に筋肉の老化をどのようにすれば抑制できるか検討を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
筋肉細胞の老化度の判定を行っている最中である。 またSIRT1の発現についても評価を行っている。 筋萎縮の動物モデルも確立を目指している最中である。
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今後の研究の推進方策 |
動物モデルを確立することでSIRT1の関与を明確にしたい。 また細胞レベルでの老化をどのようにすれば抑制できるのか検討していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞、動物モデルの確立に時間がかかっているため、遂行がやや遅れている。 次年度は主に動物実験に費用をかける予定である。 動物モデルの確立、そして動物飼育費や筋肉量の評価、また組織学的検討に使用する。
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