発達期のストレス経験は、ストレス直後のみならず成長後まで長期にわたって影響を及ぼし、青年期・成人期以降の様々な疾患の発症契機の一因となりうる。しかし、その生物学的・神経学的基盤の詳細はほとんど分かっていない。 本研究では、思春期ストレス経験が成体期の脳内ストレス応答に及ぼす影響について明らかにするため、思春期に該当する6週齢の雄ラットに拘束ストレスを負荷し、成体期ストレス負荷後の脳内ストレス関連因子の発現を解析した。その結果、思春期でのストレス経験は、成体期のストレス負荷後のチロシン水酸化酵素の発現を変化させることを明らかにした。
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