研究課題/領域番号 |
25460904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 智一 九州大学, 大学病院, 助教 (70617365)
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研究分担者 |
棚橋 徳成 九州大学, 大学病院, その他 (10644817)
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, 研究員 (90575284)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 睡眠呼吸障害 / イビキ / 心身医学 / 不安 / 抑うつ / 血圧 / 睡眠医学 |
研究概要 |
本年度は、イビキや無呼吸など何らかの睡眠障害を認める患者群において、睡眠時無呼吸の重症度と不安、抑うつなどの心理面との関連について検討した。 睡眠障害を疑い、九州大学病院心療内科に入院し終夜睡眠ポリグラフィー(PSG;polysomnography)を施行した39名を対象に不安、抑うつの尺度である質問紙CES-D(center for epidemilogic studies depression scale)とSTAI(state trait anxiety scale)を施行した。PSGの結果中等症以上の睡眠時無呼吸症候群と診断された患者群において、PSGにより算出された1時間当たりの無呼吸低呼吸数を表す無呼吸低呼吸指数(AHI;apnea-hypopnea index)はCES-DおよびSTAIの得点との間に有意な正の相関を認めた。このことから睡眠時無呼吸が重症であるほど不安、抑うつが強いことが示唆された。 イビキの健康被害に関連した研究としては、気管音解析によって得られたイビキ音測定値が早朝血圧の上昇に関連するとの研究結果をまとめ、専門領域の学会および研究会にて発表した。一般就労者191名を対象にICレコーダを用いた終夜気管音モニタリングを施行し、イビキ測定値であるLeq(等価音圧レベル)を算出した。記録不良、降圧薬服用例を除外した156名(男性107名、女性49名)を解析対象とした。Leqは非肥満非無呼吸群において早朝の収縮期および拡張期血圧と有意な正の相関を認めた。またLeqは非肥満非無呼吸群において、肥満や睡眠時無呼吸などの交絡因子を調整後も早朝の収縮期血圧と有意な正の関連を認めた。イビキが血圧という身体的健康への影響を示唆する研究結果であった。 これら2つの研究結果は、イビキの心身相関について重要な示唆を与えるものであると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
睡眠時無呼吸と不安、抑うつなどの心理的指標との関連について有意な関連があるとの結果を出すことができた。またイビキが早朝血圧の上昇と関連するとの研究結果は、イビキの健康被害という観点からも重要な示唆を与えるものである。これらは今後イビキの心身相関に関する研究にもつながる結果といえる。 イビキが精神的健康へ及ぼす影響に関する研究についても、早急に準備し開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は睡眠時無呼吸だけではなくイビキが精神的健康に及ぼす影響を検証するために、イビキが主訴でPSGを施行した患者に対して、気管音計測を同時に行いイビキ音の解析を行っていく予定である。目標数まで対象者を増やし、達成した段階でデータを解析し、学会発表(日本心身医学会の予定)の上論文化していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在研究開始が遅れており、消耗品を含む必要な物品類が一部未購入であるなど研究に関する出費が遅れていること、また研究が順調に進んでいる場合の学会発表がなされていないことによる。 終夜睡眠ポリグラフ検査施行の際に必要な消耗品や質問紙の購入、さらには学会発表や論文作成に対して支出する予定である。
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