研究課題/領域番号 |
25460908
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上野 博司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20381965)
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研究分担者 |
細川 豊史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80165555)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 末梢神経障害 / タキサン系抗癌剤 / 化学療法 / 鎮痛補助薬 / 光線療法 / 糖尿病性神経障害 / 小胞体ストレス |
研究実績の概要 |
抗がん剤誘発性末梢神経障害性疼痛のモデル動物の作成に難渋したため、神経学的に類似した糖尿病性神経障害性痛モデルの作成と一次知覚神経の機能解析に焦点をあて研究を行った。糖尿病性神経障害性疼痛モデルとして、ストレプトゾトシン投与による糖尿病モデルをラットおよびマウスに作成した。膵ランゲルハンス細胞を破壊し、1型糖尿病に類似した高血糖・低インスリン血症を誘発する薬剤であるストレプトゾトシン(5mg/Kg)の腹腔内投与を行った後、血液を採取し血糖を測定したところ、投与したラット・マウスにおいて血糖値の優位な上昇を認め、8割程度の動物では血糖値が400mg/dlを超えることが確認できた。次に、ストレプトゾトシン投与前後における痛覚閾値の変化を評価するため、von Frey刺激による機械刺激に対する逃避反応、radiant heatによる熱刺激に対する逃避反応を観察し、ストレプトゾトシン投与ごに刺激に対する反応が変化するかどうかを検討した。その結果、ラットおよびマウスにおいて、機械刺激および熱刺激に対する痛覚過敏が生じることが示された。 高血糖や抗がん剤は神経細胞に対し小胞体ストレスを引き起こすことが示されている。高血糖状態における痛覚過敏と一次知覚神経における小胞体ストレスの関係を調査するため、小胞体ストレスマーカーであるGRP78、CHOPの発現を調査した。免疫組織化学法によりGRP78の発現は上昇する傾向を示したが、リアルタイムPCRによるGRP78およびCHOPの遺伝子発現は不変または減少する傾向があり、一定の結論を得ることができなかった。 また、臨床的事項として、タキサン系抗癌剤の末梢神経障害によるしびれ・疼痛に対して、研究期間中に臨床的に有効であった治療法について検討した。
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