パクリタキセルによる神経障害性疼痛のモデル動物の作成に難渋したため、神経学的に類似した糖尿病性神経障害性痛モデルの解析を中心に行った。ストレプトゾトシン投与による糖尿病モデルをラットおよびマウスに作成、ストレプトゾトシン投与後に機械刺激に対して逃避反応を示す閾値の低下が認められ、痛覚過敏が生じることが示された。小胞体ストレスマーカーであるGRP78の発現は上昇する傾向を示したが、GRP78およびCHOPの遺伝子発現は不変または減少する傾向があり、一定の結論は得られなかった。また、臨床データではタキサン系薬剤の末梢神経障害のしびれと痛みにはデュロキセチンの効果が弱いことが明らかとなった。
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