研究課題
conditional reprogramming法によるバレット食道細胞の分離・増幅とその特性検証;内視鏡検査を行い,バレット食道の診断が得られた症例から同時に生検組織材料を採取して,feeder細胞とROCK阻害剤を組み合わせた共培養を行い,BE初代細胞を増幅して継代可能な細胞株を樹立する試みを昨年度から継続して試行している.今のところ培養法の確立に至っていないため,検体の採取方法や培養に関する諸条件を調整中である.また,マウスの正常消化管を用いて同様に共培養の樹立を行っており,条件の調整と共に得られたサンプルの解析を行い評価している.酸・胆汁酸負荷による分化マーカー,幹細胞経路への影響;バレット食道生検材料からの共培養が困難な場合に備えて,正常の扁平上皮細胞を不死化したHet-1Aの培養を開始した.胆汁酸負荷は既存の報告によって様々な条件が報告されているため,至適条件の設定を行っている.同様に既存のヒトバレット食道癌株(OE19,OE33)の培養も開始している.今後のシグナルなどの解析に備えてに備えてsiRNAの導入などの予備実験を行っていく予定である.今年度はヒトバレット食道癌株(OE19,OE33;ECACCより購入)から得た幹細胞分画の解析を行い,共培養で得られた検体,またはHet-1Aから得られた検体とエピゲノムプロファイルを比較を行い,エピゲノム異常や幹細胞性シグナルの検証を行う.この結果を基に,シグナルの阻害により分化・増殖能への影響を検証する.
2: おおむね順調に進展している
共培養については条件設定に予定より時間を要している.spheroid形成に問題があることから検体の採取法や処理法について検討中である.さらに,多数の生検検体を多様な条件下で培養を試み用いて解析を進めていく.生検組織を採取する際により良い検体を得られる条件を検討していく.共培養の樹立を中心に行ってきたが,期間内に樹立困難な場合を考えて,細胞株による検討を進めていく.
共培養については検体量を含めて見直しを行い,条件設定を詰めていく.上手くいかない場合に備えて細胞株での検討も同時に行う.既存のバレット食道癌株(OE19,OE33;ECACCより購入)や不死化処理したした正常扁平上皮細胞株であるHet-1Aから得た幹細胞分画の解析を行い,共培養で得られた検体,またはHet-1Aから得られた検体とエピゲノムプロファイルを比較を行う.これらを用いてエピゲノム異常や幹細胞の分化制御に関わるWnt,Notch,BMP経路との関連を明らかにする.特に,扁平上皮から円柱上皮へのtransformationにBMP4が関わるとの報告をもとに,TGF-β経路幹細胞性シグナルの検証を行う.さらに,sphere cultureも試行してCD133/CD44陽性分画を評価することで幹細胞性を評価する.幹細胞性を認める場合には同様に比較検討する.これらの結果を基に,阻害薬やsiRNAなどを用いたシグナルの阻害により分化・増殖能への影響を検証する.これらによって,新規予防・治療ターゲットの探索や分化誘導療法への応用を試みる.より多くの生検検体の解析を進めていく.生検組織を採取する際により良い検体を得られる条件を検討していく.
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