自然免疫関連分子NOD1はその下流分子であるTRAF3を介して、Helicobacter pylori (H. pylori)感染による胃粘膜上皮におけるCdx2やMuc2の誘導発現、NF-κB p65の活性化を抑制していた。反対に、ATP4aに関しては、NOD1はその発現維持に寄与していた。H. pylori感染による遺伝子発現の変化はNOD1ノックアウト(KO)マウスの胃における腸上皮化生や胃粘膜萎縮といった前癌病変の発生として現れた。NOD1KOマウスの胃におけるTRAF3の発現は野生型マウスのそれより有意に低く、胃前癌病変発生の一因となっている可能性が示唆された。
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